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逆説志向


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:34:38 JST

 

逆説志向とは

逆説志向とは、心理学者のフランクルが開発した心理療法のひとつです。

逆説志向は患者が不安に感じていることや恐れていることを避けるのではなく、反対にそれらを積極的に求めたり、実行したりすることで克服することを目指す心理療法です。

逆説志向と予期不安

人が不安を感じるのは過去の失敗の経験などから、今回もうまくいかないのではないかという予期をしてしまうからです。

酷い場合には予期と言うよりも確信に近い場合さえありますが、これを心理学では予期不安と呼んでいます。

この予期不安はさらなる不安を呼んでしまうので、失敗したくないという気持ちが強くなり、行動自体をやめたくなる気持ちになります。

さらに、動機や赤面、冷や汗などの肉体的な症状も現れます。

これらがループをして不安から抜け出せなくなるのです。

逆説志向のメカニズム

予期不安によって不安を予期して意識すればするほど不安は高まっていきます。

フランクルは、不安や恐れを嫌がるほど意識が強くなって、不安や恐れもそれに伴って強くなると考えました。

なるべく考えないようにしようとすると、返って考えたくないことを意識してしまうからです。

そこで不安や恐れを射やるのではなく、むしろユーモアを持って積極的に受け入れることで、不安や恐怖を軽く思えるようになります。

たとえば人前でスピーチするのが苦手で緊張してしまう人は、もっと緊張してみんなから笑われるくらいになればいいと願うのです。

不安は異常なことですが、願望に変えてしまうと正常なことに置換されてしまいます。

これが逆説志向の仕組みです。

 

 

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