集団思考

集団思考とは、個人では優秀な人でも集団になると非合理的な判断をしてしまうことを言います。

集団思考は、集団浅慮とも呼ばれます。

集団思考の代表的な例としては、NASAにおけるチャレンジャー号爆発事件が挙げられます。

1986年に起こったこの事故では発射の約70秒後にチャレンジャー号が爆発事故を起こし、7名の乗組員が命を落としました。

この事故はNASAの上層部による集団思考が原因だと言われています。

実際、現場からは悪天候や部品の欠陥の情報があったことから、発射中止の要請が出ていましたが、上層部がそれらの情報を無視して計画の決行をしたことから悲劇が起きました。

合理的に考えると計画の中止が適切な判断ですが、上層部が計画は失敗しないという非合理な信念を持ってしまい、その信念に反する情報を無視してしまったのです。

これは集団思考の典型的な症状と言えるでしょう。

ジャニスの集団思考に関する研究

アメリカの社会心理学者のアーヴィング・ジャニスは集団思考に関して有名な研究を行っています。

アメリカ政府が行った外交政策の中で、非合理的な判断がされたことにより失敗と評された政策を分析し、非合理的な判断が下された現場状況に共通点がないかを調査しました。

真珠湾に対する日本からの攻撃を受ける可能性の過小評価、朝鮮戦での中国参戦を想定できなかったこと、キューバ侵攻作戦の失敗などを考察した結果、以下の共通点を見出しています。

    1. 集団凝集性が非常に高い
集団凝集性は集団としての結束力が強いことを意味します。
結束力が強いことで集団の和お乱さないことを重視する傾向も強くなります。
    2. 外部情報から隔絶され孤立している
閉鎖的な集団では集団外の客観的な意見を取り入れることができず、非合理的な判断をしても気づきにくくなります。
    3. 指示的なリーダーがいる
リーダーの指導力が強すぎると反対意見を言いにくい状況となり、リーダー一人の判断ミスが全体に影響してしまいます。
    4. 高いストレス状況にある
国の政策を決定するときはそのメンバーの判断が国全体に大きく影響を及ぼすため、強いストレス状態にさらされます。
その結果、正常な判断ができなくなる可能性も高まります。