更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:12 JST
ハロー効果は社会心理学用語の中の認知バイアスのひとつです。
ハローは英語で「天使の輪」「後光」「光背」を意味する言葉です。
具体的には、権威のある専門家は専門外のことにも秀でていると感じてしまう心理効果のことになります。
ただし、必ずしもポジティブな意味だけでなくネガティブな意味でも使われます。
たとえば、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということわざも、ネガティブハロー効果のひとつと考えられます。
ハロー効果という言葉が初めて使われたのは、心理学者エドワード・ソーンダイクが1920年に書いた論文だといわれています。
ポジティブハロー効果の例
肩書や見た目の印象などに引きずられて、関係ないことまでもよい印象を抱いてしまうのが、ポジティブハロー効果です。
- 有名大学を卒業していることと、企業での業績は直接的な関係はありませんが、優秀なビジネスマンだと評価してしまう
- 英会話ができることは、外国人とのコミュニケーションが取れるという意味しかありませんが、外国人との交渉能力も高いと評価してしまう
- 好感度の高い著名人がCMにでることも、好感度がハロー効果を引き起こして商品が優秀であると思わせることができるから
ネガティブハロー効果の例
ネガティブハロー効果は、対象者の特徴的なマイナスのイメージに引きずられて、無関係なことにまでマイナスのイメージを抱いてしまうことです。
お寺の坊主が嫌いな人は着ている袈裟も嫌いという意味の「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということわざは、まさにネガティブハロー効果の意味を示しています。
- 初対面での第一印象が悪いと、その後も悪いイメージを引きずってしまう
- 店舗で買い物をするときに店員に悪いイメージを抱いてしまうと、店や商品へのイメージも悪くなります
- 若い年齢のファッションを奇抜だと考える高齢者が、若者の考え方や行動について見てもいないのに悪い印象で考えてしまう