トップページへ

外集団同質性効果


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:06 JST

 

外集団同質性効果とは

外集団同質性効果とは、自分が所属する集団(内集団)のメンバーは多様性があるのに対して、外集団は均一的でステレオタイプだと判断する心理のことです。

外集団同質性バイアスとも呼ばれます。

これに対して内集団バイアスと呼ばれる心理は、自分が所属している集団のメンバーに対しては好感度が高くなる「身内びいき」のことを言います。

外集団同質性効果の実験

イギリスの社会心理学者ヘンリー・タジフェルは2つの集団に対して次の実験を行いました。

タジフェルは初めて会う人を集めて2つのグループ(AとB)に分けました。実際はくじ引きでメンバーを決めましたがそれは伝えず、Aのグループだけには「独特の芸術を好んでいる人を集めた」と伝えました。

Aのグループは共通の嗜好があると伝えられたため親近感が増して、お互いをよく理解するようになりました。

さらに自分たちはBのグループよりも優れているという意識も生まれました。

また、Bのグループの人たちに対しては個性のない同じような人たちの集まりだと感じるようになったのです。

実際にはどちらの集団でもひとりひとり個性があるはずにもかかわらず個性を感じなくなりました。

この実験では無差別に選んで集団を形成しても、内集団と外集団のバイアスが発生することがわかりました。

外集団同質性効果の原因

人はなぜ自分が所属する集団以外の集団のメンバーに対して没個性を感じてしまうのでしょうか。その原因には次のことが考えられます。

• 外集団のメンバーについてよく知らない

最も考えられる理由としては違う集団であるために、そのメンバーについての情報をよく知らないということが考えられます。

しかし、集団として交流がありメンバーのことをお互いに知っている集団同士であっても外集団同質性効果が発生することがわかっています。

つまり、よく知らないということは外集団同質性効果に影響することはあっても、決定的な要因ではないことになります。

情報処理の方法が違う

外集団同質性効果の原因として考えられるもうひとつの要因は、内集団と外集団ではメンバーの関する情報処理の仕方が違うのではないかという点です。

たとえば、日本人を内集団、外国人を外集団と考えるとわかりやすいでしょう。日本人と言うだけで考慮に入れなくてもいい情報があります。

それは日本国籍を持っていて日本語を話すという情報です。ですからそれらを前提としてそれ以上に詳しい情報を必要とするので、より詳しい情報が必要になります。

一方で、外国人という外集団に属する人の場合は、日本人に対するときよりも国籍が大きな意味を持つことになります。

このように内集団と外集団に属する人に対する情報の処理方法の違いが原因という見方もあります。

 

 

■あわせて読みたい
1 皮肉過程理論
2 多元的無知
3 類似性の法則
4 アッシュの同調実験
5 テンション・リダクション効果
6 エージェント・ディテクション
7 成功恐怖理論
8 2:7:1の法則
9 ボッサードの法則
10 エッジ効果
11 心理的財布
12 抑圧
13 ジェンダーフリー
14 共感力
15 時間不一致現象
16 ネガティビティ・バイアス
17 自己距離化
18 ゴドウィンの法則
19 共依存
20 PNP法

 

■マイナー心理学用語