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ネガティビティ・バイアス


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:13 JST

 

ネガティビティ・バイアスとは

ネガティビティ・バイアスとは、ポジティブな情報よりもネガティブな情報が記憶に残りやすい心理的バイアスのことを言います。

人間の脳は生き残るために、危険なことや命に関わる情報を長く記憶に留めておく性質があります。

これはある程度平和になった現在でも機能している脳の働きのひとつです。

ネガティビティ・バイアスと記憶の関係

人の記憶は顕在記憶と潜在記憶の2つに分けることができます。

  • 顕在記憶:個人的な体験の記憶が含まれ、過去の記憶ほどポジティブなバイアスがかかります。つまり、いい思い出として残りやすくなります。
  • 潜在記憶:価値観や思い込み、感情など感覚的の物が記憶として残されていて、自分の感じ方の基準となります。

ネガティビティ・バイアスは潜在記憶にかかるので、恥ずかしさや屈辱、怒りなどの感情的な記憶はバイアスによって増幅されて記憶されています。

つまりいい思い出よりも嫌な感情が増幅されることになります。

ネガティビティ・バイアスを克服する方法

ネガティビティ・バイアスを打ち消すには、何倍ものよい思い出を作る必要がありますが、もうひとつの方法としてマイナスの思い込みを自覚して意識的に捨て去る方法があります。

心理学者のイローナ・ボニウェル博士は、マイナスの思い込みを以下の7種類に分けることで、自ら発見しやすくしました。

  1. 減点思考・・・「自分には向いていない」「他の人の方がうまくできる」:悲哀、憂鬱、羨望
  2. 無力思考・・・「ルールがあるからダメ」「年を取り過ぎている」:不安、無力など
  3. 悲観思考・・・「うまくいかない」「また悪いことが起きる」:不安、恐れ
  4. 自責思考・・・「失敗すると人に迷惑をかける」「うまくいかないと恥ずかしい」:罪悪感、羞恥心
  5. 他責思考・・・「私は悪くない」「うまくいかないにはあいつのせいだ」:怒り、不満、憤慨
  6. 無責思考・・・「自分には関係ない」「興味がない」:疲労感
  7. べき思考・・・「それはやるべきではない」「不公平だ」:怒り、嫉妬

1の減点思考の人は人前で話すことが苦手で緊張するため、ますます苦手になってしまう人です。

そうした人は人前に出る前に自信のある力強いポーズをとることでうまくいくことがあります。

人は自分の体を大きく見せるような男性的で力強いポーズをとると、ストレスホルモンが減少し、男性ホルモンが増えることが証明されています。

本来こうしたポーズは相手に対して強く見せる意図がありますが、自分自身にも効果があることがわかったのです。

人前に出る前の何分かそうしたポーズをとってみると、緊張も緩和されてうまくいく可能性が高くなります。

このように自分のマイナスの思い込みがわかったら、対処法も考えて実行してみると、ネガティビティ・バイアスを解決することができます。

 

 

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