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選択話法


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:06 JST

 

選択話法とは

選択話法とは二者択一話法とも呼ばれている会話術のひとつで、どちらが選ばれても質問者の期待通りの回答が得られる話法です。

簡単な例を挙げると商品を選んでいるときに「AとBではどちらをお買い上げですか?」と聞かれると、買うことを前提にして、ついどちらがいいのかを考えてしまう人が大半です。

選択話法はアメリカの精神科医のエリクソンが精神科治療に使った「選択肢の錯覚」から派生しています。

同じく選択肢の錯覚から派生したものに「ダブルバインド(二重拘束理論)」がありますが、選択話法とは内容が違うので混同しないようにしましょう。

選択話法 → 2択の質問をしてどちらを答えても自分の思い通りになる
ダブルバインド → 2つの矛盾した命令・指示によって相手を混乱させてしまう

選択話法の実験

選択話法の実験としては次のようなケースがあります。

捜査のプロである刑事を被験者として、事件の現場写真を見てもらい2つのグループで違う質問をします。

A. 「時計は何時を示していましたか?」と聞く
B. 「時計は3時と9時のどちらを示していましたか?」と聞く

実際に時計が示していたのは10時です。

Aグループはほぼ全員10時と答えることができましたが、Bグループは全員が選択肢から時間を選び、10時を選ぶ人はいませんでした。

正解がひとつしかないときでさえ、不正解の選択肢のどちらかを選んでしまい、選択話法の効果を証明する結果となりました。

選択話法の応用

選択話法は日常生活でも幅広く応用することができます。

たとえば、商品を売る立場にあるときは、選択話法を活用することで販売の確率を高めることができます。

顧客が商品の購入を迷っているときでも、「AとBの商品ではどちらがお好きですか?」と聞いてみましょう。

どちらかを好きだと答えた場合は、その商品を購入する可能性が高まります。

どちらも否定されたら、別の商品2つを提示して質問することで、可能性を残すことができます。

また、デートに誘いたいときも「映画とカラオケのどっちがいい?」「イタリアンと中華はどっちが好き?」という質問をすることで、デートをするという隠れた前提を肯定するように仕向けることができます。

 

 

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