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信念バイアス


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:02 JST

 

信念バイアスとは

信念バイアスとは、結果がよければそれまでの過程も正しかったと考え、反対に結果が悪ければ過程に問題があったのではと考える心理です。

たとえば取引先に対するプレゼンテーションを行い、プレゼンテーション自体はすばらしい出来であったとします。

しかし、結果としてクライアントに採用されなかったときは、「〇〇が悪かったのでは」と言った非難を受けてしまうのが信念バイアスです。

悪い点があればプレゼーテンション前に指摘すればいいのですが、結果が出るまでは否定的な意見がなくても結果次第で評価が変わってしまうのです。

信念バイアスの例

信念バイアスの例として次の三段論法があります。

  • 前提1:依存性を持つ商品に、値段が安いものはない。
  • 前提2:たばこの中には、値段が安いものもある。
  • 結論:依存性を持つ商品が、たばこでないこともある。

上記の結論は、たばこ以外に依存性のあるものを誰でも思いつくことができるので、もっともらしく感じて正しいと思ってしまいます。

しかし前提をよく見ると結論とはまったく関連性がない前提となっているので、三段論法にさえなっていません。

典型的な三段論法は以下のようになります。

  • AはBに等しい
  • BはCに等しい
  • 従って、AとCも等しい

つまり、正しい前提があって導き出されるのが正しい結論なのですが、たばこの例では前提では価格にしか言及していないのに、結論では依存性を持つ商品の種類に関して言及しています。

明らかに前提と結論がおかしいのにもかかわらず、結論が正しいと思宇ことができれば前提も正しいと思ってしまいます。

信念バイアスの問題点

よく職場では仕事上の失敗があると「日頃の努力が足りなかった」と言われることがあります。

その言葉は本人がそう思って反省する場合には問題ありませんが、上司が部下を評価する言葉としては信念バイアスがかかっていると思って間違いありません。

仕事の失敗の原因は日頃の努力だけで片づけられることではありません。

取引相手の都合やタイミング、運なども関わっていて客観的に分析しなければ本当の問題点はわかりません。

信念バイアスにかかっていると、失敗したという結果に引きずられて、それまでの過程も全否定してしまい客観的な評価はできなくなります。

その結果、将来有望な社員を間違った評価によってつぶしてしまう可能性もあります。

信念バイアスへの対処

信念バイアスへの対処は、結果だけで物事を判断しないことです。

特に人を評価する立場にある人にとっては、信念バイアスは客観的で正しい評価の妨げになります。

客観的に判断するためには正以降と失敗の2極化で評価するのではなく、結果が出る前の行動や考え方をしっかり聴取して判断・評価することが大切です。

 

 

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