更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:07 JST
権威性の法則とは
権威性の法則とは社会心理学者のチャルディーニの著書「影響力の武器」の中で提唱されている心理学的な法則のことです。
著書の中では6つの法則が提唱されていますが、権威性の法則もそのひとつとなります。
心理学的には「ハロー効果」と呼ばれている効果を応用したもので、「ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪む」効果のことです。
具体的には専門分野で権威がある人が言ったことは、専門外のことであっても信用してしまうのがハロー効果です。
「ハロー」は天使の輪や後光のことを言います。
権威性の法則はこれを応用して、他者に影響力を与えるときは権威のある人の言葉が効果的だとしています。
権威性の法則が発生する原因
人は権威のあるものに対して無条件に信じてしまう傾向がありますが、これは脳が権威を信じることで様々な思考を省略することが出来るからだと言われています。
日常的に行っていることを脳は行動をパターン化して習慣とすることで、考えることなく行動できるようにしています。
同様に専門家や著名人を権威者として認めることで、その人の言動をすぐに信じることができるのも、一種、思考の省略や節約をしていると考えられます。
たとえば医師は難しい国家試験に合格し何年ものインターンを経てはじめてなれるものであり、いわば国のお墨付きがある人物です。
ですから、医師というだけで優秀な人物と考えられるので、言動も信じることができます。
つまり権威と認められるためには、それなりの実績や後ろ盾が必要となります。
権威性の法則の応用
権威性の法則はマーケティングなどでは以前から応用されています。
たとえば健康食品を販売する場合、医薬品ではないので病気などに効果があると宣伝することができません。
たとえ、販売会社が健康に効果あると主張しても素直に信じる人は少ないでしょう。
そこで権威性の法則を応用して医師に推薦状という形で商品の宣伝に参加してもらえれば、その健康食品自体の効能に信憑性を持たせることができます。
もちろん何の効果もない食品にこの手法を使うと法律違反となるので注意しましょう。
また、マーケティングでは権威者の言葉を引用することもできます。
直接商品を推薦する文章を引用するのではなく、まったく関係ない歴史上の人物の名言を引用するのです。
書籍の販売であれば、本の内容に関係がある著名人や偉人の言葉を添えて紹介するといったことも、権威性の法則の応用になります。