更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:18 JST
自己奉仕バイアスとは
自己奉仕バイアスとは、成功したときは自分自身の能力によるものであり、失敗したときは自分ではどうしようもない外的要因のせいだと思いこむ考え方のことです。
認知バイアスのひとつ。
一般的には、失敗の責任を取らずに、他人や不可抗力のせいにする人は自己奉仕バイアスがかかっていることになります。
自己奉仕バイアスの例
自己奉仕バイアスの例は日常生活の中でたくさん見ることができます。
- テストの点数が良かったときは自分が勉強した、あるいは自分の頭がいいからだと考え、成績が悪いときは体調が悪かったせいだと考える
- 会社の業務がうまくいっているときは自分の手柄だと考え、問題が起こると同じチームのメンバーのせいにする
- 職場で成果が出れば自分の努力の結果だと考え、成果が出ないと「上司の指導が悪い」と思う
- 損害賠償が発生するケースで、加害者も被害者も自分に都合がいい根拠ばかりを主張する
上記のように自己奉仕バイアスにかかってしまうと、上手くいっているときは自信を付けることができるというプラス面があります。
しかし、失敗したときに他人のせいにしてしまうので反省がまったく行われず、同じ失敗を繰り返してしまう傾向があります。
自己奉仕バイアスが発生する原因
自己奉仕バイアスが生まれるのは、自尊心を維持したいという気持ちがあるからといわれています。
そのため、他人からよく見られるようにコントロールしたり、自分の気持ちをポジティブに維持したりという気持ちが働きます。
さらに一度、成功したのは自分のおかげだと思い込んでしまうと、確証バイアスも働きやすくなって自分に都合のいい情報ばかりを集めるようになってしまいます。
確証バイアスは間違った考えでもそれを指示する情報ばかり目に付くようになる状態なので、無意識に発生した自己奉仕バイアスも、情報が偏ることで確証バイアスによって加速してしまいます。
自己奉仕バイアスへの対策
自己奉仕バイアスは人間の本能的な自己保身が関わっているので、簡単に脱却することができません。
そのため自己奉仕バイアスから脱却するためには以下の点を意識することが重要です。
自分を客観的に見る
自己奉仕バイアスだけでなくあらゆるバイアスは、自分を客観的に見ることでわかるようになります。
その上で偏った考え方をしていないか、そもそも自分の考えが間違っていないかをチェックしてみましょう。
責任感を育てる
自己奉仕バイアスに陥らない人は、成功を周囲のおかげだと考えます。
さらに失敗に対しては責任感を持って対処することもできます。
自己奉仕バイアスにならないためには責任感を強くすること、一人で成功したわけではないことを認識しましょう。