イケア効果

イケア効果(IKEA effect)は心理学の「認知バイアス」のひとつで、消費者はたとえ一部分でも自分で作ったものを高く評価するという効果のことです。

なお、イケアは組み立て家具販売の大手です。

イケア効果は2011年に発表されたもので、比較的新しい心理的効果となります。

イケア効果の実証

1950年にアメリカの食品会社が、ホットケーキミックスのレシピに水と混ぜて焼く工程に新鮮な卵を加えるという手間を加えました。

その結果売上が上がったという事実に注目した研究チームが、「少しの労力が消費者の満足感やモノへの愛着に結びつく」という仮説を立てて実験を行いました。

実験では被験者達にイケアの箱、折り紙、レゴブロックを組み立てさせて、自分が作った製品を含めて入札を行いました。

その結果、自分の作った製品には20円以上の評価をしましたが、他人の製品は5円ほどの評価しかしませんでした。

イケア効果の実例

イケア効果はその名称から組み立て家具を連想する人が多いかもしれませんが、それ以外にもイケア効果を持つサービスや商品はたくさんあります。

プラモデル

自分で作るという点で考えるとプラモデルは古くからあるイケア効果を利用した商品と言えるでしょう。

最近ではディアゴスティーニなども同じコンセプトの商品です。

音楽ストリーミングサービス

音楽ストリーミングサービスでは「プレイリスト」と呼ばれる機能があります。同じジャンルの音楽を集めたリストが提供されていますが、自分の好きな曲を集めたリストも作ることができます。

イケア効果で自分が手間をかけた分、自分で作ったプレイリストの利用頻度は高くなります。

アンバサダーマーケティング

自社製品のファンを「大使(アンバサダー)」として任命することで、口コミ効果を期待したマーケティング手法です。

ネスカフェのアンバサダーは応募して選考されることで、コーヒーメーカー(バリスタ)がオフィスに無料設置され、1杯20円程度でコーヒーを飲むことができます。

しかし、審査やメンテナンスに手間がかかるのに成功した背景には、イケア効果があるといわれています。

マーケティング以外のイケア効果の応用

イケア効果は従業員のモチベーションを高めることにも、応用することが可能だといわれています。

しかし、製品作りでは効率を重視するために分業が当たり前で、一人ですべての工程を担当することはしていません。

そのため単純にイケア効果を当てはめることはできないのです。

イケア効果では自分で最後まで製品を作らないと効果が低いという実証結果が出ています。

そのため、単純な工程を少し複雑にして、完成させた気分にさせるなどの工夫が必要になっていきます。

考えてみると職人は一人で製品を作ることが多いので、よりモチベーションが高く完成度の高い製品ができあがるのかもしれません。

職人は究極のイケア効果を実現していると言えます