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プラットフォール効果


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:11 JST

プラットフォール効果はアメリカの心理学者エリック・アロンソンが提唱した心理効果のひとつです。

平たくいうと有能だと思われている人が必敗をすると、通常とは反対に好感度が上がる心理のことになります。

その道の権威や能力が高い人は一般的に普通の人とは違うという印象を持たれてしまいます。

そのため、ある意味では敬遠する人も多くなりますが、そんな人が普通の人と同じように失敗をすると、親近感が増すので好感度が高くなるのです。

能力が低いと思われている人が失敗しても、やっぱりと思われてますます好感度が下がるのとは反対の心理になります。

プラットフォール効果の実験

アロンソンは以下の実験によってプラットフォール効果を提唱するに至りました。

アロンソンは被験者に2種類のテープを聴かせて、好感度がどのように変化をしたのか聴取しています。

最初のテープの内容はクイズ番組のオーディションを録音していて、前半ではクイズの達人が回答し正答率が93%でした。

後半は素人で正答率が30%という内容です。

この時点での好感度は当然クイズの達人が素人を上回っています。

次に素人の回答者と達人それぞれが、コーヒーをこぼしてスーツにシミを付けたという声が入ったテープを流します。

その結果、どちらも同じ失敗をしたにもかかわらず、クイズの達人の好感度が上がり、素人の好感度がさらに下がる結果になりました。

プラットフォール効果の応用

プラットフォール効果は日常でも応用することができますが、自分が利用する場合は前提として周囲から一定以上の評価を得ている必要があります。

極端に言うとたいしたことがないと思われている人が、失敗をしてもやっぱりと思われて評価を下げるだけなのです。

そのため、職場で優秀だと思われている、あるいは完全主義者や堅物だと思われている人が、ちょっとした失敗をすることで親近感を覚えてもらうという為に応用するのが効果的です。

普段は厳しい上司が飲み会で部下に対して砕けた態度をしてみたり、ドジをしてみたりという場合はプラットフォール効果が期待できます。

また、男女関係でも自分が堅い人物だと思われているときに、ギャップを感じさせるような言動やちょっとした失敗をすることで好感度を上げることができます。

いずれの場合も、自分が周囲にはどう思われているかが重要なポイントで、その判断を間違えてしまうと逆効果になってしまうので注意する必要があります。

 

 

 

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