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同調現象


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:14 JST

同調現象とは

同調現象とは、同調効果とも呼ばれていて自分の意見や行動を他人に合わせた結果、人々の意見や行動が一定の方向に傾いてしまう現象のことを言います。

具体的には、行列ができていると何の行列かわからないにもかかわらず、その行列に並んでしまう行動も同調現象と言われています。

なお、経済行動学でも同じ現象を示す言葉があり「ハーディング現象」や「同調行動」と呼ばれています。

同調現象は、ポーランド出身のアメリカで活動した社会心理学者ソロモン・アッシュが1951年に検証実験を行っています。

同調現象実験

アッシュの実験では実験室で問題を解いてもらいますが、参加者8人の内7人はいわゆるサクラで被験者は一人だけでした。

問題は誰にでも解ける内容ですが、18問中6問はサクラ全員が正解、被験者も正解しています。

しかし、残りの12問ではサクラは全員不正解を選択したところ、明らかに不正解であることは被験者にもわかるはずなのに、不正解を選択した被験者が出始めます。

最終的にすべて正解した被験者は全体の25%で、75%の被験者はサクラの回答に引っ張られる回答がひとつ以上ありました。

この結果、人は集団で行動しているときには、明らかに間違った行動もしてしまう同調現象が確認されました。

同調現象の例

同調現象は日常生活で数多く見られます。

  • 人気のある商品を購入するのも同調現象のひとつです。これはバンドワゴン効果とも呼ばれることがあり、パレードの先頭を走るバンドワゴン(楽隊)車から名付けられています。
  • 誰も並んでいないお店よりも長い行列のお店に並んでしまうのも、同調現象でありバンドワゴン効果が発生しています。
  • パンデミック下で行われた自粛警察も他人に自粛を強制していましたが、これもきっかけは同調現象と考えられます。

同調現象と正常化バイアス

人は無意識のうちに今は正常な状態だという前提で行動しようとします。

なぜなら異常な状態であることを前提にしてしまうと正常な判断は行えないからです。

そのため、今が異常な状態であることを認識するためには、正常であることを覆すほどの客観的な事実が必要になります。

非常ベルが鳴ってもすぐに避難をしないのは、この人間の無意識の行動を前提とした正常化バイアスが働いています。

この正常化バイアスが働いているときに周囲にたくさんの人がいると、同調現象によって間違った行動をとる人が多くなります。

火事で出口とは反対の方向で大勢の人が逃げ遅れて死亡した場合などは、正常化バイアスで気付くまでに時間がかかった上に、同調現象で間違った方向に逃げてしまったと考えられます。

 

 

 

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