更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:11 JST
分析麻痺症候群とは
分析麻痺症候群とは、マーケティングなどで分析によって経営を客観的に分析するという手法が当たり前になってきた現在、分析を重視するあまり下記のような弊害が生まれていることを皮肉る言葉です。
- 分析を重視して現場を無視する
- 分析にお金をかけすぎて経営を圧迫する
- 何でも分析して使い道のないデータを作成する
一橋大学大学院国際企業戦略研究科の野中名誉教授が、取材中に発言した言葉と言われています。
分析麻痺症候群の例
分析麻痺症候群の代表的な例としては以下のことが考えられます。
- 本部のスタッフが細かい分析をして立てた営業計画が、まったく現場の営業の実情を考えていなかったため、実現不可能な計画だった。そのため、本部と現場との対立や深い溝を生み出してしまう。
- 上司への報告書のため、丁寧でわかりやすい報告資料を作成したが、事実がわかりやすくなっただけで、今後どうすべきかという視点に欠けていて将来の役には立たなかった。
分析麻痺症候群への対策
分析麻痺症候群に企業が陥る原因としては、細かいデータ作成に満足してしまって本来の目的を忘れている点にあります。
分析が目的となってしまい、本来目的のはずの利益の回復だったり、顧客満足のアップだったりが忘れ去られてしまっている点に問題があります。
目的がハッキリしていれば、現場と連動して実現可能な計画を立てることも可能になります。いくら計画が立派でも実現できなければ意味がないからです。
そのためにはいわゆるPCDAを活用して計画だけでなく行動もチェックすることが必要です。
- P:Plan計画を立てる
- D:Do計画を実行する
- C:Check業務が計画通りかチェックする
- A:Act計画に沿っていない部分の改善
上記のPDCAを意識することでデータ分析などは計画を立てる上での資料に過ぎないことがわかり、「分析麻痺症候群に陥ることを防止できます。