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保守性バイアス


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:10 JST

保守性バイアスとは

保守性バイアスとは、元々持っている考え方や情報に固執して、新しい考え方ややり方を受け入れられなくなる心理バイアスです。

いわゆる頭の固い人はこのバイアスがかかっていることが多いのです。

保守性バイアスは行動経済学で主に使われている用語です。

たとえば、投資のために時間をかけて集めた情報を重視するあまり、それを覆すような新しい情報の可能性を考慮に入れなくなることを、保守性バイアスにかかっていると表現します。

保守性バイアスの例

保守性バイアスの例は日常にあふれています。

たとえば職場の飲み会で年配の上司が「最近の若者は・・・」といって愚痴や説教を言い始めるのも、保守性バイアスが関係しています。

自分が若い頃の時代を基準にして物事を判断しているので、現状の新しい情報は無視するか、あるいは理解できないため拒否している状態です。

判断基準をいつまでも古い情報に置いているので、典型的な保守性バイアスと言えるでしょう。

また、保守性バイアスにかかっているとビジネスに関しての新しいアイディアも、前例がないという理由だけで否定しまいます。

もちろんきちんとした根拠があって反対する場合もあるので、一概にすべてを保守性バイアスのせいにすることはできません。

株式投資では購入した株式が、一定の価格以下になってしまった場合に売りに出すことを損切りと呼んでいます。

一定のラインを決めておかないといつまでも売ることができなくなるので、損をしても売ってしまう必要があるからです。

しかし、保守性バイアスにかかっている人ほど、この損切りができずに売りのタイミングを逃してしまい、そのまま放置しなくてはいけなくなる「塩漬け」の状態を引き起こしてしまいます。

この株式は上昇する要素があるという古い情報に引きずられてしまった結果、保守性バイアスに陥り塩漬けとなってしまうのです。

保守性バイアスへの対策

保守性バイアスにかかってしまうと、なかなか自分では気付くことが難しくなってしまうので、普段から保守性バイアスにかからない工夫をすることが大切です。

視野を広める

人は長い間に好みが固まってしまい好きなことや好きなものが偏ってしまいます。

好みが偏ってしまうと得られる情報も狭くなってしまうので、意識して視野を広げるために今まで興味がなかった分野にも手を染めてみましょう。

読書や映画鑑賞、TV番組、雑誌などを今まで敬遠したジャンルから選んでみると、新しい発見が必ずあるはずです。

保守性バイアスにかからないようにするためには、なんにでも好奇心を持つようにして情報が偏らないようにすることが大切です。

そのほかにも時間に余裕があれば旅行をして見聞を広めたり、普段から反対意見に耳を傾けて客観的な判断ができるように心がけましょう。

 

 

 

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