互恵的利他性

互恵的利他性とは、他者に利益を与える利他性の中でも、将来自分に見返りがあることを前提として他者に利益を与える事を言います。

つまり、お互いに利益があることから互恵的利他性、互恵的利他主義と呼ばれています。

互恵的利他性の例

生物の中には血縁関係がないにも関わらず、個体レベルで助けたり助けられたりする例を見かけます。

サメとコバンザメや大型魚とソウジウオなどの関係です。

互恵的利他性の例としてはチスイコウモリが有名です。

チスイコウモリは夜間に哺乳類の血液を吸うことで、次の夜まで生き延びることができますが、集団の20%は血を吸うことができないと言われています。

そこで十分に血を吸った個体は血を吸えなかった個体に血液を分け与えて延命します。

しかし、血を分け与えられた個体が次に返礼行為をしない場合は、その個体は排除されることになります。

つまり互恵的利他性には一定のルールがあると考えられます。

互恵的利他性の特徴

進化生物学者のロバート・トリヴァースは互恵的利他性には以下の3つの特徴があるとしています。

    1. やりとりされる行為が、受け手には利益になるが、実行者には犠牲を伴う。
    2. 代償と見返りの間にタイムラグがある。
    3. 見返りを条件に犠牲を払う

チスイコウモリを例にすると、血液を与える個体にとっては生き延びる時間を減らすことになるので、血を分け与える行為には犠牲を伴います。

反対に血を与えられた個体は延命するので明らかに利益となります。

利益を受けたコウモリはすぐに見返りはできないので、代償と見返りにはタイムラグがあります。

見返りなしに代償を払うことはないので、万一見返りがない場合には排除されるというリスクがあります。

トリヴァースの特徴は、実は人間以外の動物にとってはかなり難しい条件となるので自然界には殆どないとも言われています。

なぜなら見返りがあったかどうかを記憶する必要があり、ある程度の知性が必要になるからです。