更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:16 JST
ストックスピールとは
ストックスピールとは、漠然とした内容にもかかわらず言われると、自分に当てはまると感じてしまう質問や確認の言い方、話術のことです。
同じような話術には「コールド・リーディング」があります。
コールド・リーディングは「事前情報なくその場の観察から得られた情報を手がかりに相手を見透かす」という点に比重が置かれていますが、ストックスピールは「誰にでも当てはまるような内容のことを事前にストックしておく」という違いがあります。
ストックスピールの具体例
よく考えるとあいまいですが、言われたときには具体的だと感じて自分にも当てはまると思ってしまうのがストックスピールです。
具体的には以下のような質問や問いかけがストックスピールと呼ばれています。
- かなり非現実的な野望を抱いてしまうことがある
- あなたは、自分にたいして厳しすぎるところがある
- 外向的で愛想がよく、付き合いがいいときもある反面、内向的で用心深く引きこもってしまうこともある
- 自分を素直に出しすぎてしまうのもあまり懸命ではないということを、これまでの人生経験から学んできた
- ある程度の変化や自由を好み、縛られたり制限されたりすると不満を感じる
- 性的な欲望をうまく適応させることができないことがある
- 外見は自信があるように見えるときも、心の中ではくよくよしたり、不安になったりする面がある
- 自分の考えをしっかり持っていて、根拠なしに人の言うことを信じてしまうことはないと、自負している
- これまでの人生の選択や行動は本当に正かったのだろうかと疑問に思うこともある
- 自分の中にはまだ掘り起こされていない才能が眠っている
- 性格に多少の弱点はあるけれども、たいていはそれを埋め合わせることができる
- 人から好かれたい、認められたいという欲求が強い
- 小説とか絵とか、なにかクリエイティブなものを作ろうとして、完成前に途中でやめてしまったものがある
- 毎号揃えていたけれども、途中で購読をやめた雑誌が部屋に置いてある
- プライベートの時には仕事と逆の性格が出ることもある
- 古い傷を持っている
- 昔辛い思いをしてから!恋愛とか人間関係にちょっと臆病になっていることがある
- 壊れた時計を修理せずに持っている
- 自分自身に投資している
- 読まなくちゃと思いながら、まだ手をつけずにいる本がある
- アルバムに整理せずに、放置している写真がけっこうある
- あなたは人に好印象を与えるひとですね
- 時間ができたらやろうと思いながら、何年もできずにいることがある
- ここのところ急に連絡が来なくなった人がいる
- 職場であなたのことを誤解している人がいる
- つい最近、大切な人にきつくあたって後悔したことがあった
- ここのところ、少しエネルギーが落ちてきていると思っている
- 買ったけど一度も着ていない服がクローゼットに眠っている
- あなたは学校にいたときよりも社会に入ってからのほうが沢山勉強している
ストックスピールの応用
ストックスピールは占い師や詐欺師といった人が使う言葉と思われていますが、日常生活に応用することでコミュニケーションをスムーズにすることもできます。
たとえば日常会話で、
A「新入社員の教育係に任命されてしまって、最近大変だよ。」
B「大変ですね。少し休んだほうがいいですよ」とBのように答えるよりも、
B「Aさんは少し自分に厳しいところがあるから、たまには自分をいたわったほうがいいですよ。」
と答えた方が、Aさんは自分のことをよく見てくれていると思い、Bさんに対する印象がよくなります。
「自分に厳しいところがある」という部分がストックスピールで、それがたとえ事実でないとしても、そう思ってもらっているというだけで言われた方は嬉しくなります。
このようにストックスピールをいくつか覚えて会話に応用するだけで、相手に好印象を与えたり、信頼を得たりすることも可能になります。