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バイスタンダー効果とは


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:05 JST

 

バイスタンダー効果とは

バイスタンダー効果とは、ある事件が発生したときにその場にいた人数が多いほど、自分ではなにも行動を起こさない心理のことを言います。

傍観者効果とも呼ばれています。

つまり周りに多くの人がいることで、自分がやらなくても誰かやるだろうと考えてしまうのです。

この心理効果は1964年ニューヨークで発生した事件がきっかけで発見されました。

バイスタンダー効果発見のきっかけになった事件

1964年にニューヨークで起ったキティ―・ジェノヴィーズ事件が、バイスタンダー効果発見のきっかけとなったと言われています。

深夜に自宅アパート前でキティという女性が暴漢に襲われたとき、彼女の叫び声で周辺の住人12人が事件に気付き目撃していました。

しかし、誰一人として助けに行かず、警察に通報もしなかったと言う内容の事件です。

心理学者のラタネとダーリーは、この事件に関して目撃者が大勢だからこそ起ったことなのではないかと考え、それを調べる実験を実施しました。

バイスタンダー効果の実験

実験は学生の被験者を2名、3名、6名のグループに分けて行われました。

お互いに相手の様子がわからないようにひとりずつ個室に分けて、インターフォン越しに討議をします。

そこで、ひとりが途中で発作を起こす演技をします。

その結果、2名のグループでは全員が行動を起こしたのに対し、6名のグループでは38%の人が行動を起こしませんでした。

別のある実験ではアンケート中に密室の部屋で煙が発生するという状況で、報告するかどうかを調べています。

被験者がひとりの場合、75%の人が報告したのに対して、2人では38%、10人だった場合には10%未満の報告率でした。

ニューヨークの事件では、マスコミは通報者がいなかった原因を、都会の人間は他人に対して冷たいという報道をするケースもあったようですが、実験では周囲の人数が問題だったことが立証されました。

バイスタンダー効果の原因

周囲に人が大勢いると人はなぜ自ら行動を起こさなくなるのでしょうか。以下の原因が考えられます。

多元的無知が働く

周囲の人が何もしないのを見ると、それはたいしたことがない事態だと判断してしまうことを多元的無知と呼んでいます。この多元的無知もバイスタンダー効果の原因のひとつと言われています。

責任分散の影響

他の人と同調すれば自分の責任も分散されて軽くなると考える心理効果も影響しています。周りが何もしていないから自分も何もしなくても非難されないと考えてしまうのが責任分散です。

評価懸念

評価懸念は周囲が何もしていないのに自分だけが行動したら、変だと思われてしまうと言う懸念が生じることです。

以上の3つの要素があり、バイスタンダー効果が発生すると考えられています。

 

 

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