更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:05 JST
ネガティブ・バイアスとは
ネガティブ・バイアスとは、ポジティブな事柄よりもネガティブな事柄に関する情報を優先する心理傾向のことです。
ネガティブ・バイアスは人間の生物としての生存本能に根付くもので、危険な経験を優先的に記憶に残すことで生存率を高めた名残と言われています。
しかし、現在では命の危険に関わらないことにもネガティブ・バイアスが働くので不都合なことも増えています。
ネガティブ・バイアスの例
ネガティブ・バイアスは日常生活でも様々な形で表れています。
- ネットショッピングのレビューで商品に対する高評価が多かったが、否定的なコメントが気になって購入しなかった
- 初対面で気になった嫌な部分が後々まで影響してその人の印象を悪くする
- 長年ボランティアなどで社会貢献してきた著名人が1度のスキャンダルで評判を落としてしまう
- 上司に叱られた部下はその記憶が長く残り萎縮してしまう
ネガティブ・バイアスは上記のように現在では不都合な点が多く、特に人間関係を悪化させる原因のひとつにもなります。
ネガティブ・バイアスの実験
ネガティブ・バイアスの実験には以下の実験があります。
被験者に新しい外科手術の方法があると説明し、2つのグループにそれぞれ以下の点を伝えました。
A. 手術の成功率は70%
B. 手術が失敗する確率は30%
当然ながら、Aのグループには好意的に受け取られ、Bのグループには悪い印象を与えました。次にそれぞれのグループに反対の言い方で伝えます。
A. 手術が失敗する確率は30%
B. 手術の成功率は70%
しかし、今度はどちらのグループに対しても悪印象が残る結果となりました。
つまりネガティブな情報はポジティブな情報を書き換えることができず、ネガティブな情報はポジティブな情報を簡単に書き換えることができることが実験で証明されました。