アンダードッグ効果

アンダードッグ(Underdog)効果は、不利な立場にある人を応援してしまう心理状態のことです。

アンダードッグは日本語では「負け犬」と訳されることが多いですが、アンダードッグは「負けそうな人」という意味なので負けが確定している負け犬とは違います。

どちらかというと闘犬やボクシングで使われる「かませ犬」のほうが、意味が近いと言えます。

日本ではスポーツなどでも弱い方の味方をする傾向が強いといわれていますが、「判官(はんがん、ほうがん)贔屓」という言葉はまさにアンダードッグ効果を現しています。

判官は源義経の役職名が由来といわれていて、イジメなどで弱い立場にあった義経に同情してひいきにすることをいいます。

アンダードッグ効果は以前「負け犬効果」と訳していたようですが、違った意味に解釈する恐れがあるので、今では「判官贔屓効果」と訳すこともあります。

なおアンダードッグ効果と反対の意味がある言葉としては、人気のあるものに乗っかる「バンドワゴン効果」があります。

また、アンダードッグ効果とバンドワゴン効果を合わせて、「アナウンスメント効果」とも呼んでいます。

アンダードッグ効果による心理的効果

アンダードッグ効果によって人々にどんな効果をもたらすことができるのを知っておくと、自分に有利な状態にすることも可能です。

アンダードッグ効果による心理効果を考えてみましょう。

応援したくなる効果

アンダードッグ効果としては見ている人に応援したくなる心理を与えるという効果があります。

ただし、ただ単に弱い、不利な状況なだけではアンダードッグ効果は生まれず、応援もしてもらえません。

応援の効果を得るためには不利な状況でもめげずに努力していることが必要です。

弱い者を守りたくなる効果

人は集団生活をしているので、その集団の中でも弱い者に対しては守らなくてはいけないという本能が働きます。

この本能の働きによって不利な状況に陥っている人に対してアンダードッグ効果が働くと考えられます。

感動、切なさを与える効果

不利な立場に立たされても努力してそれを覆そうとする姿は、見ている人に感動を与えます。

最終的に失敗しても切なさという感情を与え、状況を覆して成功すればカタルシス(精神の浄化)を得ることができます。

マーケティングでのアンダードッグ活用例

アンダードッグ効果による心理効果を活用してマーケティングでの具体例を紹介しましょう。

失敗をアピールする

商品販売であれば発注ミスによって大量に在庫を抱えてしまうということがあるかもしれません。

そんな場合は利益を度外視して大量に売りさばく必要がありますが、ただ安くしただけでは大量には売却できないかもしれません。

そこで商品のポップに大量発注による失敗を記述して消費者にアピールしてみましょう。

消費者にとっても商品が安い理由がハッキリする上に、低価格で購入できるわけですからメリットがあります。

最近ではSNSで拡散されて話題になる可能性もあるので、簡単に売りさばける可能性があります。

コロナ禍でのでき事

2019年12月に報告された新型コロナウィルスの影響により、それ以降特に飲食店などは売上激減の痛手を負っている店が増えています。

飲食店への対策は国が行うべきもので、実際助成金など交付されるなどの対策がありました。

しかし、対策以上に飲食店の経営は逼迫していたため、店舗だけではなく持ち帰りで対応するなど工夫がされてきました。

その試みに消費者も対応したのは、出かけることもままならないという現状の他に、窮地に陥っている飲食店に対するアンダードッグ効果も大きかったと考えられます。

人気のなさを逆手に取る

商品の販売やサービスの提供には事前のリサーチが欠かせませんが、それでも企業の思惑とかけ離れた結果となる不人気商品やサービスが存在します。

そんなときには不人気であることを逆手にとって、アンダードッグ効果を利用して逆転できる可能性があります。

ある企業は商品が不人気な理由や意見を消費者から集めて、意見をくれた消費者に商品券を配るキャンペーンを同時に試みました。

商品の改良のアイディアを得られる上に、話題作りにもなり危機を脱したのです