更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:21 JST
カリギュラ効果は正式な心理学用語でもなく、主に日本で使われている一般的な心理効果を表現する言葉です。
カリギュラは1980年の映画のタイトルで内容が過激だったところから、アメリカのボストンなどで上映禁止になりました。
しかし、上映禁止がかえって興味を引いて話題になったことをカリギュラ効果と呼ぶようになりました。
つまり人は禁止されるほど興味を引かれてしまうという心理効果のことで、多くの人が経験している心理状態です。
子供の頃からおとぎ話ではカリギュラ効果を示すような逸話があります。
鶴の恩返しや浦島太郎の玉手箱、海外ではパンドラの箱などの例もあります。
カリギュラ効果の心理学的裏付け
心理学用語に「心理リアクタンス」という言葉がありますが、この用語でカリギュラ効果は説明することができます。
心理リアクタンスは自由が阻害されたときに、自由を回復しようとする反発作用のことです。
そのため人は「○○してはいけない」といわれると、それに反発してむしろ禁止されたことをやろうとするのです。
人には自分の行動は自分で決めたいという欲求があるので、禁止されると嫌悪感を覚えてしまい反発作用として心理リアクタンスが発生します。
カリギュラという映画を見てはいけないと規制されると、むしろ見たくなる人が増えて人気が出てしまうのはそのためです。
カリギュラ効果の例
日常生活の例
カリギュラ効果の例はおとぎ話だけでなく日常生活でも見ることができます。
井戸端会議でよく聞くこれらの言葉にもカリギュラ効果があります。
「誰にもいわないでね」
「ここだけの話だよ」
しかし、この言葉を言った人も強制する意図はないですし、聞いた人も無視をして他人に話すことが多いので、禁止の言葉だとは思っていません。
それでもいわないよりは言ったほうが、ずっと話が広まるスピードが上がるでしょう。
マーケティングの例
マーケティングでもカリギュラ効果を活用した例はたくさんあります。そのひとつとしてセミナーなどの参加者を募集するときに、以下の文言を加える方法があります。
「○○に興味が無い方の参加はご遠慮下さい。」
本来は「○○に興味のある方はぜひご参加下さい」という表現が一般的です。
しかし、興味の無い人の参加を拒否するような表記にすることでカリギュラ効果が発生し、反対に興味の無い人の参加の可能性が高くなります。