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認知バイアス


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:13 JST

 

認知バイアスとは

認知バイアスとは、物事の判断(認知)がこれまでの経験に基づく先入観などで、非合理的な結果になる心理現象のことを言います。

認知バイアスにはたくさんの種類がありますが、たとえば非常ベルが鳴っているにもかかわらず、非常事態とは思わずに避難をしない状態は「正常性バイアス」がかかっているからです。

人は基本的にいまが正常であると判断して行動するため、非常事態であると認識するには、それを覆すだけの決定的な情報がないといけないのです。

このように認知バイアスは人の判断をゆがめてしまうことが多いので、十分に気を付ける必要があります。

認知バイアスの種類

正常性バイアスについては既に説明しましたが、それ以外の主な認知バイアスも簡単な説明とともに紹介しましょう。

後知恵バイアス

結果が出てから予測が可能だったと思うことです。「やっぱりそうだった」「思った通りだった」と言うときは、後知恵バイアスがかかっている可能性があります。

アンカリング

先に取得した情報で選択が変わってしまうことです。10,000円の価格を数字が見えるように消して5,000円にした場合、最初から5,000円の値札よりも得したと勘違いすることもアンカリングです。

自己奉仕バイアス

うまくいったときは自分のおかげで、失敗したときは人のせいと考えるバイアスです。

ゼロサム思考

誰かが得をすれば自分が損をするという考え方で、ウィン・ウィンはあり得ないと考えるバイアスです。いわゆるパイの奪い合いの状態が常に起きていると考えています。

ツァイガルニク効果

途中で終わったものが、最後まで達成したものよりも強く印象に残るバイアスです。

コンコルド効果

航空機のコンコルド事業のように、開発までにお金をかけすぎると赤字になってもなかなか事業を中止できなくなるバイアスです。

ダニング=クルーガー効果

自分を人が考えるよりも美化したり、過大評価したりするうぬぼれのバイアスです。

内集団バイアス

自分の身内や関係者への評価が高くなるバイアスです。

偽の合意効果

自分の考えが一般常識だと思ってしまうバイアスです。痩せている人が美しいと考えるのは他の人も同じだと思ってしまいます。

ピーク・エンドの法則

物事の印象は感情がピークの状態と、出来事の最終状態(エンド)の印象で決まってしまうバイアスのことです。

認知バイアスを防止する方法

認知バイアスがかかってしまうと、周囲との考え方に大きな隔たりが生じてしまい、コミュニケーションなどがうまくいかなくなるときがあります。

そこで自分の考え方に何らかの認知バイアスがかかっていないかを確認してみる必要があります。

判断基準をしっかりと持つ

物事を判断するときには一度客観的な判断基準で確かめてみることが必要です。商品を購入する場合であれば、印象だけで決めずに他の商品とも比較してみることも必要です。

明確な理由もなく嫌っている人がいたら、その人を嫌いになった理由を考えてみましょう。

相手には何も問題はないのに、自分の思い込みだけで嫌っていないかを確かめる必要があります。

このように客観的な判断基準を持つことで、認知バイアスから逃れることが可能です。

先入観をなくす

認知バイアスはいわゆる先入観を持ってしまうことが大きな原因です。

たとえば、内集団バイアスにかかっていると、自社製品の売り上げが悪い原因を探るときでも、外的要因にばかり目が行ってしまいます。

そもそも自社製品に問題がないかということを考えもしなくなります。

自社製品に問題はないという先入観をなくすことは難しいかもしれませんが、いったんすべてをリセットしてゼロから問題を検討することも必要です。

 

 

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