アサーション

アサーションとは、日本語では「自己主張」と訳されますが、相手の意見を尊重しながら自分に意見をしっかりと伝えるコミュニケーション方法のことを言います。

アサーションは1949年に出版された、精神医学、行動医学の書籍に医学用語として記述されたのが始まりと言われています。

このときは「自己主張」という意味がそのまま使われていて、アサーションは人間の尊厳をとりもどし回復を図る上で有効な手段として取り扱われていました。

現在のコミュニケーション手段としての意味で使われたのは1970年前後です。

自己主張の3つのパターン

自己主張には以下の3つのパターンがあります。

これらを理解することでアサーションによるコミュニケーションに近づくことができます。

    1. アグレッシブ(攻撃タイプ)
    2. ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
    3. アサーティブ(攻撃的タイプと非主張タイプ)

アグレッシブは相手を攻撃するタイプで、思ったことをそのまま大声で言ったり、勝ち負けで物事を判断したり、精神的には子供に近いタイプです。

ノン・アサーティブはアグレッシブと正反対で、自己主張がほとんどなく物静かで言い方は曖昧です。

これらに対してアサーティブは双方の良いところを兼ね備えたバランス型です。

このタイプがアサーションを使いこなせる代表的なタイプと言えます。

アサーションの具体的なコミュニケーション方法

相手に配慮しながら自分を主張すると言っても、具体的にはどうすればいいのかわかる人はいないでしょう。

アサーションでのコミュニケーションを目指すのであれば、以下を意識しながらコミュニケーションを図りましょう。

    • 会話の主語をあなたではなく私にする
会話をするときに「あなた」を主語にしてしまうと、相手の否定になってしまうことが多くなります。

相手を非難しなければいけないときでも、自分を主語にすることで相手が受ける印象は大分違ったものになります。

「(あなたは)どうしていつも同じ間違いをするの?」

「(私は)あなたが同じ間違いをしないでくれると助かるわ」

    • 自分の気持ちを伝える
日本人は特に相手に感情をぶつけることが少ないので、自分の感情を相手に伝えることは苦手としてます。

むしろ自分の感情は伝えないほうがいいとさえ思っている人が多いでしょう。

そのため、反対に素直な感情を伝えると、自分の意思が正確に伝わるだけでなく心に響くことになります。

ただし激しい感情ではなく「~してもらうと助かります」「~で困っています」といった気持ちを素直に表現する内容にしましょう。

    • お願いの形で表現を軟らかくする
お互いに意見がくい違っているときは、自分の意見を主張しようとして会話に命令形や断定形が多くなりますが、これをお願いの形で表現するだけで対立を避けることができます。

「~してほしい」や「~してください」といった表現を使ってみましょう。

    • 否定するときでも会話を肯定で終わらせる
だれでも会話の中で自分の言動を否定されるといい気分はしないものです。

それは自分自身が否定されている気分になってしまうからです。

しかし、特にビジネスでははっきりと否定しなければいけない場面は数多くあります。

否定せずに曖昧にしておくと、後でもっと悪い結果になってしまうことが多いからです。

そこで否定するときは最初に否定して、代替案などを最後に提示して肯定で終わらせると相手への印象をよくすることができます。

「それに関してはご期待に添うことはできませんが、代わりに○○などはいかがでしょうか」
「明日の納品は無理ですが、明後日の午前中であれば可能です」

上記のように否定を最初に持ってくるとかなり印象は違うでしょう。