更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:21 JST
感情移入ギャップ(Empathy Gap)は心理学者、ジョージ・ローウェンシュタインが概念化した認知バイアスのひとつです。
人は自分が感情的(Hot)になっている状態の気持ちを、冷静な状態(Cold)のときは予測できない、反対の場合も同様に予測できない状態のことです。
そのためHot-Cold Empathy Gapと呼ばれることもあります。
感情移入ギャップの例
感情移入ギャップの例は日常生活の至る所にあると言ってもいいでしょう。
誰でも感情的になってやってしまったことを、冷静になってから後悔をしたことがあるはずです。
しかも、冷静な状態で興奮状態のときの自分の行動や考えは理解をすることができず、なぜあんなことをしてしまったのかと嘆くだけです。
パニック状態のとき
昭和のオイルショックのときや最近ではパンデミックのときなどは、トイレットペーパーやマスクなどを極端に買いだめする人がいます。
特に在庫不足という事実はないにもかかわらず、デマに踊らされてパニック状態になり買いだめしてしまうのです。
そして数ヶ月後にはトイレットペーパーに埋もれたり、使い切れないマスクの置き場所に困ったりするのです。
恋愛状態の場合
恋は盲目とよくいいますが、恋愛状態のときもパニック状態と同じような状況に陥ってしまいます。
客観的に見るとどう考えても不自然な行動をする相手であっても、恋愛状態ではそれが正常に思えてしまうことはよくあります。
周囲の友人が説得しようとしてもいうことを聞かず、最終的にだまされてしまう、結婚詐欺に遭うというパターンはドラマでもよくあります。
しかしそのときは客観的に友人に注意していた人も、自分が同じ立場になるとあっさりだまされてしまうのが感情移入ギャップの怖いところです。
感情移入ギャップへの対策
基本的にいわゆるホット状態になってしまうと抑えが効かなくなるので、その状態で冷静な判断は不可能だと考えましょう。
それではどうしたらいいのかというと、コールド状態になったときにほっと状態になってしまったきっかけや原因を考えることが必要です。
つまりほっと状態になりそうな兆候を見極めて、コールド状態に戻す方法を見つけるのです。
ホット状態になるきっかけは人それぞれなので、簡単には解決できないかもしれませんが、そのままにしておくといつも同じ失敗を繰り返すことになります。
零細なときにじっくり考える時間を持ちましょう。