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松竹梅の法則


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:07 JST

 

日本ではうな重や焼き肉のコースなどを提供する場合に、価格によって「松竹梅」で表現することがあります。

「松」が一番高く「梅」が一番安い表示になりますが、このように3段階の価格表示では真ん中の価格「竹」が選ばれやすくなる現象を日本では松竹梅の法則と呼んでいます。

欧米では「ゴルディロックス効果」と呼ばれていますが、これはイギリスの童話「ゴルディロックスと3匹のくま」に由来します。

くまの親子の家に迷い込んでしまったゴルディロックス(少女)が、熱すぎず冷たすぎない「ちょうどいい」スープや、「ちょうどいい」柔らかさのベッドを見つけていくことから、欧米ではこの「ちょうどいい」をゴルディロックスにたとえるのが一般的で、ゴルディロックス効果という呼び方が定着しています。

松竹梅の法則が成り立つ理由

3つの選択肢がある場合、人は中間を選ぶ傾向があると言われていて、それを松竹梅の法則と呼んでいますが、その背景には人が極端を無意識に避けてしまう心理があります。

それを「極端の回避性」と呼んでいますが、最も高い値段の商品を選んだ場合は失敗すると高額な分リスクも高くなります。

反対に最も安い価格を選ぶとお金がないと勘ぐられるのが嫌だという心理が働きます。

そのため中間を選ぶ人が多くなり、その比率は価格が高い順に2:5:3になると言われています。

松竹梅の法則をマーケティングで応用

松竹梅の法則はマーケティングで活用されていますが、その応用にはいくつか注意する点があります。

基本的に最も販売したい価格を中間に設定することが第一のポイントです。

その上に最も高い価格を設定しますが、こちらはある程度中間よりも価格が離れていても問題ありません。

しかし最も低い価格はあまり中間よりも安くしすぎると、安さに魅力を感じる顧客が増えるのであまり差を付けないことが重要です。

そして選択肢は必ず3つにすることもポイントです。

選択肢を4つ以上に増やすと、人は選択するのが面倒になり、購入そのものをしないという選択肢を選んでしまいます。

また、2択になってしまうと価格の差が大きくても小さくても、価格の低い方が選ばれる傾向が強くなります。

価格の差が大きい場合は単純に高い方を避け低い方を選びますが、価格の差が小さいと性能や質に大きな違いがない限り、やはり価格が低い方を選ぶからです。

 

 

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