更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:18 JST
サトルクエスチョンは正式な心理学用語ではなく、ビジネスシーンで利用されている心理的な会話テクニックのことをいいます。
サトルクエスチョンは、取引先の問題点などを聞き出したいときに、仮定の質問をすることで肯定されても否定されても相手の問題点がわかる質問の仕方です。
また、あえて必要のないことも含めて質問することで、より情報を多く得ることも可能です。
サトルクエスチョンの具体例
サトルクエスチョンには以下の用例があります。
ビジネスでの実例
仮定の質問をする
営業「御社ほどの規模の企業ですと、〇〇(仮説)という課題があるのではないでしょうか?」
顧客「そうなんですよ。当社でも〇〇という課題はありますね」または「いえ、当社ではそういった課題はありませんが、〇〇という別の課題があります」
この質問では肯定でも否定でも聞きたかった答えを得ることが可能になります。
否定疑問形で質問する
営業「御社は素晴らしい施策をたくさんやっていらっしゃるので、〇〇というお悩みはありませんよね?」
顧客「そうですね。当社では今のところ〇〇といった悩みはありませんが、代わりに他の悩みはありますけどね」
営業「やはり〇〇はできているんですね。本当に素晴らしいです。ちなみに他の悩みというのは具体的にどういうお悩みなんですか?」
上記は肯定の答えの場合ですが、否定されても以下のように必要な情報が得られます。
顧客「いや、実は当社でも〇〇の悩みがありますね」
営業「そうですか。でも御社であれば△△については大丈夫なのではないですか?」
顧客「確かに、△△については大丈夫ですね」
営業「やはりそうですか。御社であればきちんと対応できていると思ってました。なみに〇〇のお悩みはどのような内容でしょうか」
間違っているかもしれないことを質問する
営業「○○商店さんはA電機さんのコピー機をお使いですので、こちらのトナーをご利用いただければコストが下がりますよ」
顧客「あっ、うちはB電機ですよ。」
営業「B電機さんでしたか。それでなら、ちょうどB電機さんの複合機の新機種が来月発売されますので、次回ご案内させていただけませんか」
日常会話での実例
サトルクエスチョンは日常会話でも応用することができます。
具体的に質問する
A「休日買い物してそうだね」
B「家で映画を観ることが多いね」
A「最近は何観たの」
B「それ俺も観たよ。面白かったね。」
上記の会話で「休日は何してる?」というよりも具体的に聞いてみると会話が弾みます。
もし、間違ったことを聞いたとしても、人は間違ったことは訂正したいという心理が働くので、情報を得ることができます。
仮の質問をする
A「Bちゃんは東京出身だった?」
B「いや、実は○○出身なんだよね」
この会話でも間違いをただす心理から聞き出したい情報を得ることができます。
ある程度決めつけた言い方をすると、質問に聞こえないので質問攻めに遭っているという感じがなくなり、会話を柔らかくすることができます。
サトルクエスチョンを利用する場合の注意点
ビジネスでサトルクエスチョンを使用する場合は、その頻度や相手との関係性も考慮した上で使う必要があります。
長い取引関係にある相手にサトルクエスチョンを使いすぎると、「こんなこともわからないのか」と思われてしまう可能性があります。
サトルクエスチョンは主に浅い取引の相手先から、上手に情報を引き出すために使いましょう。それなりに取引が長い相手には多用しない方が無難です。