更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:04 JST
曖昧性効果とは
曖昧性効果とは、人が情報不足で曖昧な選択肢を避けることを言います。
なお、英語ではAmbiguity Effect、日本語訳では曖昧性忌避や不確実性回避とも呼ばれています。
曖昧性効果が「エルズバーグのパラドクス」と呼ばれることがあるのは、アメリカの経済学者のダニエル・エルズバーグが1961年に発表した論文で曖昧性効果の具体例が示されたからです。
エルズバーグのパラドクス
エルズバーグは論文で3色の玉による次の数値例を示しています。
◆箱の中には赤、黒、黄の玉があり、全部で90個、そのうち赤色だけは30個という個数がわかっている。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、赤玉ならば100ドルもらえ、それ以外の玉ならば何ももらえない。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、黒玉ならば100ドルもらえ、それ以外の玉ならば何ももらえない。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、赤玉、もしくは黄玉ならば100ドルもらえ、黒玉ならば何ももらえない。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、黒玉、もしくは黄玉ならば100ドルもらえ、赤玉ならば何ももらえない。
1と2のどちらを選ぶ人が多いのかと考えた場合、エルズバーグは1を好む人が多いと考え、3と4では4を好むと考えました。
1と2では、30個確実に入っているとわかっている赤玉を選ぶと100ドルもらえる1の方がいくつ入っているかわからない黒玉を選ぶよりも確実だと考える人が多いと考えたからです。
3と4の場合も黒玉の個数が30よりも多い可能性を考えて、30個しかない赤玉を引く可能性が低く感じてしまうため4を選ぶと推測します。
しかし、箱の中へランダムに黒と黄色を入れた場合、黒と黄色も30個になる確率が高いので、1と2および3と4のギャンブルとしての期待値は同じです。
同じ期待値なのに確実な個数がわかっている方を選択してしまうのが矛盾していることから「エルズバーグのパラドクス」と呼ばれています。
曖昧性効果の応用
人は不確実なものを避ける傾向があるというのが曖昧性効果です。そのため曖昧性効果を応用してビジネスでの取引やプレゼンテーションに応用することもできます。
つまり取引先に対して何かを提示する場合は、なるべく具体的な提示をすることで効果が高くなるということになります。
たとえば、リスクを示す場合でも「あまりリスクはありません」と言うよりも、「リスクは過去の実績から10%しかありません」といった方が相手が受け入れやすくなります。
また、取引先と約束をする場合も、「なるべく早く連絡します」よりは、「1両日中に、遅くても3日後までには連絡します」の方が、信頼を得られるでしょう。
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なお、英語ではAmbiguity Effect、日本語訳では曖昧性忌避や不確実性回避とも呼ばれています。
曖昧性効果が「エルズバーグのパラドクス」と呼ばれることがあるのは、アメリカの経済学者のダニエル・エルズバーグが1961年に発表した論文で曖昧性効果の具体例が示されたからです。
エルズバーグのパラドクス
エルズバーグは論文で3色の玉による次の数値例を示しています。
◆箱の中には赤、黒、黄の玉があり、全部で90個、そのうち赤色だけは30個という個数がわかっている。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、赤玉ならば100ドルもらえ、それ以外の玉ならば何ももらえない。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、黒玉ならば100ドルもらえ、それ以外の玉ならば何ももらえない。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、赤玉、もしくは黄玉ならば100ドルもらえ、黒玉ならば何ももらえない。
- 箱から玉をひとつランダムに取り出し、黒玉、もしくは黄玉ならば100ドルもらえ、赤玉ならば何ももらえない。
1と2のどちらを選ぶ人が多いのかと考えた場合、エルズバーグは1を好む人が多いと考え、3と4では4を好むと考えました。
1と2では、30個確実に入っているとわかっている赤玉を選ぶと100ドルもらえる1の方がいくつ入っているかわからない黒玉を選ぶよりも確実だと考える人が多いと考えたからです。
3と4の場合も黒玉の個数が30よりも多い可能性を考えて、30個しかない赤玉を引く可能性が低く感じてしまうため4を選ぶと推測します。
しかし、箱の中へランダムに黒と黄色を入れた場合、黒と黄色も30個になる確率が高いので、1と2および3と4のギャンブルとしての期待値は同じです。
同じ期待値なのに確実な個数がわかっている方を選択してしまうのが矛盾していることから「エルズバーグのパラドクス」と呼ばれています。
曖昧性効果の応用
人は不確実なものを避ける傾向があるというのが曖昧性効果です。そのため曖昧性効果を応用してビジネスでの取引やプレゼンテーションに応用することもできます。
つまり取引先に対して何かを提示する場合は、なるべく具体的な提示をすることで効果が高くなるということになります。
たとえば、リスクを示す場合でも「あまりリスクはありません」と言うよりも、「リスクは過去の実績から10%しかありません」といった方が相手が受け入れやすくなります。
また、取引先と約束をする場合も、「なるべく早く連絡します」よりは、「1両日中に、遅くても3日後までには連絡します」の方が、信頼を得られるでしょう。
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