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自己呈示


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:18 JST

 

自己呈示とは

自己呈示とは他人に対して自分が望む印象を与えるように振る舞うことです。

自己呈示は偽った自分を見せるという意味だけでなく、欠点を見せずに長所だけを見せるなど、自分の側面のひとつだけを見せることも含まれます。

自己呈示には「主張的自己呈示」と「防衛的自己呈示」の2種類があります。

主張的自己呈示

主張的自己呈示は何らかの報酬を得る目的で行う事項呈示で、以下の5種類があります。

 取り入り

相手から好印象を持たれたいために相手の主張に合わせる自己呈示です。

いわゆる同調や「ごますり」がこれに当たります。

ただし、必ずしも悪いことではなく販売店の店員が顧客に「取り入り」の自己呈示をするのはごく普通のことで、むしろ自己呈示しない方が問題となります。

自己宣伝

自分が有能だという印象を与えるために、能力や実績を主張する自己呈示です。

自慢話をするのも自己宣伝の自己呈示です。

自分が大物であることを主張するために、大物と一緒に写っている写真をSNSなどにアップする行為も自己宣伝ですが、明らかに自分の実力でないので逆効果になります。

示範

自分に道徳心があることをアピールするために相手に罪悪感を抱かせるのが示範です。

ちょっとしたルール違反にも正義感を振りかざす行為も示範による自己呈示になります。

行きすぎた示範は相手に堅苦しさや偽善者の印象を与えてしまうので注意が必要です。

威嚇

自分の影響力を示すために相手に恐怖を抱かせるのが威嚇です。

自分の言いなりにさせるために大げさに怒ったり、脅したりするのが威嚇ですが、ネガティブな印象を与えるので好感を持たれることはありません。

また、威嚇を使うということはむしろ自分に影響力がないことを示すことにもなるので、影響力を示すという目的からは外れてしまいます。

哀願

自分の弱さを強調して同情や協力を求めるのが哀願です。

自分の体調の悪さやけがなどをアピールしたり、不幸自慢をしたりすることも哀願のひとつです。

必要以上に自分を卑下すると相手に面倒な人という印象を与えてしまうので、相手に協力を求める方法としては弱さをアピールするよりも、一生懸命さをアピールする方が効果的と思われます。

防衛的自己呈示

失敗したときの言い訳やごまかしが防衛的自己呈示です。

失敗の責任や自分に対する評価が下がることを避けるための自己呈示と言えます。

防衛的自己呈示の具体的な行動には以下のものがあります。

否定

否定では、自分の責任も自分の行動による被害も認めませんし、自分の行動による被害も認めません。

つまり「まったく知りません」としらを切ることが否定です。

正当化

正当化では自分の行動や責任については認めますが、自分が被害をもたらしたことは認めません。

「交通違反はしたがそれは周囲に合わせていただけだ」という要に自分の行為を正当化しようとするのが「正当化」です。

弁解

正当化とは反対に自分の責任は認めませんが、自分の行動の結果起こった被害については認めるのが「弁解」です。

よくあるのが遅刻をしたのは認めるけれども、遅刻したのは電車が遅れたからといった言い訳です。

これも「弁解」による自己呈示になります。

謝罪

すべてを認める自己呈示は「謝罪」です。

責任も被害も認めて素直に謝ることですが、本当は自分が悪くないと思っているときには、謝罪の後に正当化や弁解をすることがあります。

記者会見などで謝罪の後で言い訳じみたことを言い出す場合は、その謝罪がポーズであることを示しています。

 

 

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