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コンコルド効果(埋没費用効果・サンクコスト効果)


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:19 JST

コンコルド効果とは

コンコルド効果とは、投資家の心理としてよく使われている言葉で、明らかに特定の対象に投資をすることは損失となる場合でも、それまで投資した金銭や時間を惜しんで投資がやめられなくなる心理のことです。

投資用語としては「埋没費用効果 (Sunk Cost Effect)」の別名があります。

なお、超音速旅客機コンコルドの失敗が、コンコルド効果の由来です。

日本以外ではコンコルドの誤謬(Concorde Fallacy)という名称が一般的ですが、Fallacyの日本語訳に適切なものがなく一本化できなかったため、コンコルド効果が定着しました。

また、埋没費用はコンコルド事業を例に取ると、コンコルドを開発するためにかけた費用がそれに当たります。

つまり、事業を続けても回収できる見込みがないコストのことになります。

事業をやめてもやめなくても回収できなければ、早くやめた方が埋没費用は少なくて済むはずです。

回収見込みがない埋没費用を惜しんで、さらに埋没費用を膨らませてしまうのがコンコルド効果です。

コンコルド効果の例

ギャンブル

実生活での典型的なコンコルド効果は、ギャンブルだと言えるでしょう。

基本的にギャンブルは胴元が儲かるようにできているので、いくらお金をつぎ込んでも既に負けたお金は取り戻す可能性は低いのです。

しかし、ギャンブルにはまってしまう人は、偶然大勝ちしたときの記憶が強く残っているので、取り返せると勘違いしてさらにお金をつぎ込んでしまいます。

課金ゲーム

スマホアプリに代表される課金ゲームもギャンブルと同じで、コンコルド効果でお金をつぎ込んでしまいます。

しかも、ゲームで使ったお金はギャンブルと違って一部でも戻ってくるという可能性はありません。

それでもさらにお金を使うのは、それまでにつぎ込んだお金がもったいないと感じて、確率の低いレアアイテムが出るまでつぎ込んでしまうのです。

お金が戻る可能性がないという点では、ギャンブルよりもコンコルド効果が高いと言えるかもしれません。

恋愛

恋愛でもコンコルド効果と思われる事例があります。

特に男性は異性を口説くためにプレゼントや高級レストランなどにお金をかけてしまいます。

しかし、それでも相手にされなければすぐに諦めたほうがいいのは、誰が考えても明らかです。

そもそもお金で解決できるならとっくに成功しているはずなのです。

それでも過去に使ったお金にこだわって、いつまでも貢ぎ続けるのはコンコルド効果と言っていいでしょう。

ビジネス

コンコルド効果の由来であるコンコルド事業に代表されるように、ビジネスで最もコンコルド効果が顕著に表れます。

特に経営者がコンコルド効果に陥ってしまうと、いつまでも採算が取れない事業を続けることになり、企業の存続にも関わります。

コンコルド効果を回避する方法で早めに対処しましょう。

コンコルド効果の対策

コンコルド効果を回避するには以下の対策をします。

基準を決めて損切りする

基準を決めて費用が基準を超えた場合は自動的に事業や行動を停止する。

いったんゼロに戻す

過去の損をいつまでも引きずるとコンコルド効果が発生するので、過去をマイナスと考えずにゼロからスタートし直す。

損益を計算する

企業であれば損益を計算して、回復可能かどうかを客観的に判断する。日常生活でもプラスとマイナスを冷静に考え直すことが重要。

 

 

 

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