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罰への欲求


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:12 JST

 

罰への欲求とは

罰への欲求とはいいことが続くと返って不安になり、悪いことが起きることを望んでしまう心理現象です。

アメリカの深層心理学者リヒターが提唱しました。

罰への欲求が確認されたきっかけとなった出来事

リヒターが罰への欲求を提唱するきっかけになった出来事があります。

1950年代にアメリカでは「肥満と虫歯の原因はお菓子の食べ過ぎにある」と大きく報道されました。

その結果、お菓子の売り上げは10%ダウンすることになりました。

そこであるお菓子メーカーがそれまで大きなキャンディーケースに大量のキャンディーを入れて売っていたところを、キャンディーを個別に包んで大きなキャンディーケースに入れて売り始めました。

その結果キャンディーの売り上げが回復しました。

大きな入れ物にキャンディーが包装されずに入っていると、食べたいだけ食べてしまう人が多いので、ひとつひとつ包むことで罪悪感を減らしたことになったためです。

罰への欲求が起こる原因

なぜ、罰への欲求が起こるのかというと、人は変化を好まないという性質があるからです。

そのため、入学や卒業、社会人になるときなど人は自然に不安を感じてしまいます。

この性質は人生の節目の時だけでなく、日常でも感じることがあります。

つまりいいことが続いてしまうと、このままでいいわけがないと感じ、バランスをとるために不幸が起こって欲しいと思うようになります。

いいことも悪いこともバランスよく発生するのが普通だと考えているので、いいことが続きすぎても不安になってしまうのです。これが罰への欲求の原因です。

罰への欲求のマーケティング応用

たとえばある商品を購入しようとして消費者がウェブサイトで、その商品メーカーのホームページを見たとします。

そこに商品のよい部分しか説明されていないとしたら、消費者には罰への欲求が起こり、よいことしか記載されていないことに違和感を覚えて購入をためらってしまいます。

そこで商品説明をする場合は、メリットだけでなく致命的ではないデメリットも少し説明することで、罰への欲求を発生させないことで購買率を高めることができます。

ただし、デメリットを説明する場合には以下の配慮が必要です。

  • メリットよりもデメリットを多くしない
  • デメリットを説明するときはフォローを必ずする

メリットよりもデメリットが多すぎると、悪い商品であることを印象づけてしまいます。

そのためメリットの方を多く説明するとともに、デメリットをカバーするメリットがあることも説明してフォローしましょう。

たとえば、「○○の機能がないが、その分価格が安い」というようにフォローします。

 

 

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