更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:08 JST
リンゲルマン効果とは
リンゲルマン効果とは、フランスの農学者であるマクシミリアン・リンゲルマンにより提唱された理論で、人は集団になると無意識に手を抜き一人で作業するよりも発揮する力が減少するというものです。
別名「社会的手抜き」「フリーライダー(ただ乗り)現象」とも呼ばれています。
リンゲルマン効果は肉体的な作業や労働、認知的パフォーマンス(事務作業など)のどちらでも確認されています。
リンゲルマン効果の実験
リンゲルマンは綱引きによってリンゲルマン効果の実験を行っています。
リンゲルマンはひとりで綱引きする場合と複数人で綱引きをした場合の、ひとり当たりの綱を引く力を測定して比較しました。
ひとりで引いた場合の力を100%とすると、複数の場合ひとり当たりの力は以下のとおりとなりました。
• 2名・・・93%
• 3名・・・85%
• 8名・・・49%
上記のとおり人数が増えるほど、ひとり当たりの綱を引く力は下がっていくことが確認されています。
リンゲルマン効果の原因
リンゲルマン効果が起きる原因としては以下のことが考えられます。
1. 個人の責任感・義務感の分散
集団では「自分ひとりがサボってもバレないだろう」「他の人がやるだろう」という意識が発生し、個人としての義務感や責任感が薄れてしまう。
2. 多元的無知
いわゆる「裸の王様」を見て服を着ていると思っているふりをする行為を多元的無知と呼んでいます。
このように自分はそう思っていなくても周囲に合わせてしまう心理が集団では働きます。
そのため、自分ではやらなくてはいけないと思っていても、「周囲がやっていないならやらなくてもいいだろう」と考えてしまうことになります。
3. 他者からの評価への懸念
集団の中では個人の貢献は目立たず、失敗が目立ってしまうためモチベーションの低下を引き起こします。
リンゲルマン効果の対策
企業のような集団ではリンゲルマン効果が起きやすく、また発生することで業績への影響も大きくなるのでリンゲルマン効果を発生させないような対策をする必要があります・
評価の可視化
評価される側にどのような基準で評価をしているのか、明確にわかるようにすることでリンゲルマン効果を防ぎます。
役割を明確にして当事者意識を持たせる
集団の中でもサボりを防ぐにはひとりひとりに当事者意識を持たせる必要があります。その方法としては個人の役割を明確にして。ある程度の責任を持たせることが効果的です。
相互評価システムの構築
リンゲルマン効果を防止するためには相互評価システムの導入も効果的です。社員同士がお互いに評価し合うことで、サボりも減少し評価も目に見えるようになります。