更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:01 JST
知識の呪いとは
知識の呪いとは、自分が知っていることは相手も知っていると考えてしまうため、その知識について知らない人に対する説明が困難になることです。
英語ではThe Curse of Knowledgeと呼ばれています。
「知識の呪い」という言葉は、経済学者のコリン・キャメラーらにより、1989年の「ジャーナル・オブ・ポリティカル・エコノミー」の記事で初めて使われました。
その後1990年頃には学生によって知識の呪いに関する実験が行われています。
知識の呪いの実験
スタンフォード大学の学生が行った実験は、日本のTV番組でも行われるようなゲームでした。
二人一組になって一人がある曲のリズムだけをたたきます。
もう一人がそのリズムだけを聴いて曲名を当てるというゲームです。
曲はハッピーバースデイのような誰でも知っている曲であったため、事前の予想では正解率は50%程度と思われていました。
しかし結果としては正解率は2.5%にとどまりました。
リズムを刻む人は頭の中でメロディーが流れていますが、リズムだけ聞いている人にはそれは伝わりません。
結果として、誰でも知っている曲でさえ人に伝えることが難しいことが証明されています。
知識の呪いの応用
知識の呪いは日常生活やビジネスにも応用することができます。
人に何かを教えるときや、ビジネスで商品説明をするとき、プレゼンテーションを行うときには知識の呪いについて十分配慮する必要があります。
自分が知っているからといって相手も同じ知識を共有しているとは限りません。
専門知識や略語、一般的でないカタカナ用語を使っていないか、知らないことを前提にして説明しようとしているかといった点に注意する必要があります。
なるべくわかりやすくすることを前提にして、アニメーションやイラスト、商品であれば実際に使っている映像などを駆使して、商品説明やプレゼンテーションをしてみましょう。