学習の転移

学習の転移とは、既に学習した知識、技術、経験などがその後の学習に影響を与える現象です。

学習の転移を初めて提唱したのは米国の心理学者のソーンダイクと言われています。

ソーンダイクは当時の教育学における「教育は具体的な学習内容よりも、精神的な能力を磨くことを目的としているという説(形式陶冶説)」に疑問を感じて、科学的根拠をもって新たな概念の「学習の転移」を提示しました。

学習の転移の種類

学習の転移には以下の種類があります。

    • 正の転移と負の転移
学習の転移の中でも正の転移と負の転移は基本となる転移です。

正の転移は学習したことが次の学習にプラスになる転移で、大学で学んだことが就職後の仕事に役立つなどが代表的な例です。

これに対して負の転移は、既に学んだことが後で学ぶことを阻害するケースで、日本語の文法を学んだことで英語の文法が理解しづらくなることが代表的な例です。

    • 特殊転移と一般転移
正の転移は特殊転移と一般転移の2つに分けられます。

特殊転移とは、たとえばトロンボーンの演奏を学習したことで、金管楽器の音の出し方という特殊な方法を学びトランペットの学習にも生かせることです。

一般転移とは、先行学習には関係ない後続学習に学習方法などを生かすことです。

    • 近転移と遠転移

学習の転移を先行学習と後続学習の関係性で分類したのが近転移と遠転移です。名称のとおり先行学習と後続学習との関係性が近いと近転移、遠い場合には遠転移と呼びます。

    • 垂直転移と側方転移
垂直転移と側方転移は学習のジャンルによって分類した転移です。

同じ学習分野でより高いレベルで転移した場合を垂直転移と呼び、学習をより深く掘り下げた転移です。

側方転移は学習分野の違う学習に転移したもので、より広い知識を学習した転移と言えます。