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作業興奮


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:19 JST

作業興奮は心理学用語ではなく、ドイツの医学者クレペリンの作業曲線を日本の内田教授が研究した際に、提唱したものと思われます。

作業興奮は「行動すること,作業することが刺激になって内部に発生した活動動因」と定義することができます。

作業興奮という言葉自体は、東大薬学部の池谷裕二教授の著書「海馬は疲れない」(糸井重里共著)から引用されて世間に広まったと考えられています。

作業興奮は「やる気」を出すための要因ですが、行動することでやる気が生まれるので、やる気が出るのを待たずにまずは行動してみようという意味で使われるようになりました。

作業興奮が起こるしくみ

作業をはじめる(筋肉を動かす)と脳の「側坐核」が反応して作業興奮が起きます。

そのまま行動を続けていると側坐核に一定以上の刺激が与えられ、アセチルコリンという神経伝達物質を分泌します。

アセチルコリンは細胞同士の連絡を補助する働きがあり、記憶や学習、集中に効果があるので作業することでさらに作業に集中することができます。

作業興奮の活用

やらなくてはいけないことがあるのに、やる気が起きない場合があります。

そんなときには何も考えずにはじめてみると、時間が経つにつれて真剣に取り組んでしまいます。

たとえば家の大掃除をいやいやながらやりはじめたら、やる気が出はじめて普段は掃除しないようなところまできれいにしてしまったという経験はないでしょうか。

このように作業興奮は日常生活で誰もが経験しているはずです。

作業興奮のきっかけは筋肉を動かすことです。

それによってアセチルコリンが分泌されることで作業効率が高まり、やる気につながります。

そのため、特にスポーツなどの運動で効果が発揮されやすくなります。

学校の部活ではほぼ強制的に運動しなくてはいけないので、作業興奮が当たり前の状態です。

しかし社会人になってからの運動は強制ではないので、練習がおっくうになり長続きしません。

そこで有料でジムに入会したり、ゴルフのコーチを雇ったりすることできっかけを作ってしまいましょう。

お金をかけてしまえば嫌でも練習をするので、その後は作業興奮によって長続きするはずです。

作業興奮が起きないケース

作業興奮は筋肉を動かすことがきっかけになりますが、日常生活では常に筋肉を動かしている人が多いはずです。

それでも常に作業興奮が発動しているとは限りませんが、どういったケースでは作業興奮が起きないのでしょうか。

仮に常に作業興奮が起きるのであれば、作業に集中しすぎて危険な場合も考えられます。

ただ歩くだけで作業興奮が発生してしまっては、事故などのリスクが高まることになります。

そうしたリスクを避けるために、ある程度安全が確保されている状態でなければ、作業興奮が起きないと考えることができます。

そのため特に屋外での運動などは明らかに安全が確保されている状況で行うことで、作業興奮による集中力を高めることができます。

 

 

 

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