更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:20 JST
クライマックス法は、1942年にアメリカの心理学者ハロルド・スポンバーグが論文で発表した心理学を応用した話法のひとつです。
この論文では同時にアンチクライマックス法(Anti-Climax Method)も提唱しているので併せて紹介します。
クライマックス法とアンチクライマックス法
クライマックス法とアンチクライマックス法には以下の違いがあります。
- クライマックス法:結論を最後にする話法
- アンチクライマックス法:結論を最初にする話法
まずはそれぞれの特徴を解説します。
クライマックス法の特徴
クライマックス法では最初にいろいろと説明をしてから最後に結論を話します。
順序立てて話をするときや結論がオチとなる場合に有効な話し方となります。
クライマックス法の話し方の順序には以下の2つがあります。
DESC(デスク)法
Describe(描写)・・・現在の状況(事実)を伝える
↓
Express(表現)・・・このままにするとどうなるか(意見)を伝える
↓
Suggest(提案)・・・解決のための提案をする
↓
Consequence(結果)・・・提案を実行するとどうなるか結果を述べる
起承転結
起=きっかけ
↓
承=続き
↓
転=変化
↓
結=結末
起承転結はドラマや小説などでストーリーを伝えるのによく使われている手法です。エピソードを伝えるのに適しています。
クライマックス法は話を徐々に盛り上げていく手法なので、聞き手にそれからどうなるのかという興味を抱かせたいときに使います。
アンチクライマックス法の特徴
アンチクライマックス法は結論を最初に伝える話法です。以下の2つの手法があります。
SDS法
Summary(全体の概要)・・・主張したいこと(結論)を伝える
↓
Details(詳細の説明)・・・なぜそれを主張するのかを説明
↓
Summary(全体のまとめ)・・・主張全体をまとめる
PREP(プレップ)法
Point(主張)・・・結論を述べる
↓
Reason(理由)・・・結論に至った理由を述べる
↓
Example(具体例)・・・結論の根拠となる具体的な例を示す
↓
Point(主張)・・・ダメ押しで結論を再度述べる
次にクライマックス法とアンチクライマックス法の使い分けについて解説します。
クライマックス法とアンチクライマックス法の使い分け
まず、どんな人が対象の場合どちらの話法が適しているのか考えてみましょう。
クライマックス法は結論が最後になるので話をじっくり聞きたい人、話に興味を示してくれる人を対象とする場合に効果があります。
ドラマや小説であれば、ある程度興味が無ければ見たり読んだりしないはずです。
そのため結論を後にしてなるべく経過を楽しませることをするためにクライマックス法が使われます。
これに対してアンチクライマックス法で最初に結論を話すのは、まずはどんな話なのか見極めてから判断したいケースで使われます。
対象者はどちらかというと気が短い、せっかちな人になります。
ビジネスシーンでは時間を効率的に使いたいので、判断を早くしてもらうためにアンチクライマックス法が効果的です。
また、ネット上ではアンチクライマックス法を利用して、商品やサービス紹介をしているサイトが存在します。
ネットを利用する人は、自分が求めている情報ではないと判断するとすぐにサイトから離脱してしまいます。
そのため、クライマックス法で結論を先延ばしにすると、最後まで読んでもらえないからです。
また、性別によっても違いがあり、男性はアンチクライマックス法、女性はクライマックス法が適しているといわれています。
対象者の性別によって手法を使い分けることも必要です。
クライマックス法が適しているケース
- 相手に興味がある場合の商談
- 相手との信頼関係ができている
- 相手が感情を重視する人
- 結論にインパクトが不足している
- アンチクライマックス法が聞かなくなった相手(緊急時除く)
- 日常の雑談
アンチクライマックス法が適しているケース
- 上司への報告など事務的な連絡
- 緊急な要件
- 結論のインパクトが強い
- 相手のとの信頼関係がまだできていない
- 相手が論理的な考えをする人
- 相手が時間の無駄を嫌う人
- ビジネスシーン