トップページへ

スポットライト効果


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:16 JST

スポットライト効果とは

スポットライト効果とは、常に自分にスポットライトが当たっているように、ミスや過ちが強調されて周囲から注目されているように感じる認知バイアスのひとつです。

スポットライト効果では自分と他人の評価が大きく違ってしまう、いわゆる自意識過剰の状態に陥ります。

この心理効果は1999年にトム・ギロビッチが行った「バリー・マニロウ実験」の結果として公表されています。

スポットライト効果の実験

スポットライト効果の実験はバニー・マニロウという80年代の歌手の顔が大きくプリントされたTシャツを利用したことから、バニー・マニロウ実験とも呼ばれています。

バニーマニロウを知らない人は自分が知っている有名人の写真をプリントしたTシャツを着ていることを想像するとわかりやすいでしょう。

被験者は(本人はダサくて目立つと思っている)バリー・マニロウのTシャツを着て、教室内にいる実験者とともにアンケートに答えている人たちの前を素通りして出て行きます。

被験者は全部で15人いて、それぞれ違う人たちの前を素通りしますが、教室にいた人たちの内どれくらいの人たちがこのTシャツに注目したのかという問いに答えています。

15人は平均で46%の人に注目されたという回答をしましたが、実際に教室にいた人に後で聴取した結果では21%しか気が付いていませんでした。

つまり被験者が思ったよりも半分以下の人しか気が付かなかったのです。

この実験結果から本人が思っているほど、他人はその人に注目していないということがわかります。

ギロビッチの言葉によれば「私たちの誰もが自分自身の宇宙の中心にいる」ということになります。

スポットライト効果の例

スポットライト効果は日常生活でも自信で経験したことがある人も多いでしょう。

たとえば、美容院で変な髪型にされてしまったと自分で思っていても、周囲の人が変な髪型だと指摘するどころか、髪型を変えたことにさえ気付いていない人が多かった等はよくある話です。

また、自分がウソをついているときはスポットライト効果が発動しやすいと言えるでしょう。

自分がウソをつくと人は周囲の人が疑っていないかどうかを気にします。

その結果、自意識過剰になってスポットライトを浴びているような気分になり、普段はしないような言動をしてしまうことがあります。

いわゆる挙動不審になってしまい、帰ってウソがバレる可能性を高くしているのです。

スポットライト効果の活用

自分と他人の意識が大きく違っているというのは、客観的にはなかなか意識できないものです。

しかし、スポットライト効果という存在を意識すれば、それを活用することも可能です。

たとえば会社の会議中に、自分が発言したことが会議ではまったく反映されず無視されてしまったと感じたことはないでしょうか。

実はそれはスポットライト効果のせいかもしれません。

あなたが重要だと思って発言したことは、周囲からするとごく当たり前の意見だと思われた可能性があります。

このように周囲との温度差があるときはまずスポットライト効果を疑ってみましょう。

それによって物事を客観的に見ることができるようになります。

それまで仕事で不当な評価を受けていたと感じていたことが、実は自分と周囲の意識の違いが原因だったと気付くかもしれません。

また、日常生活でも「こんな格好をしたら変に思われてしまう」「こんなことを言ったらおかしいと思われる」と考えたとしても、スポットライト効果で他の人はそれほど気にしないと意識することができます。

そうすれば今まで周囲を気にしてできなかったこともやってみるきっかけになります。

スポットライト効果を避けることは難しいですが、ポジティブに活用することは可能です。

 

 

 

■あわせて読みたい
1 コールド・リーディング
2 1:5の法則
3 アニミズム
4 エゴグラム
5 否認
6 ジーン・ディクソン効果
7 アイビー・リー・メソッド
8 シミュラクラ現象(パレイドリア)
9 ロミオとジュリエット効果
10 ディドロ効果
11 ジェンダーギャップ指数
12 バイスタンダー効果
13 Zの法則
14 計画錯誤
15 KISSの法則
16 確証バイアス
17 78:22の法則(ユダヤの商法)
18 逃避
19 合理化
20 スノッブ効果

 

■マイナー心理学用語