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合理化


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:23 JST

 

合理化とは

心理学における合理化とは、言い訳としても知られる否認の一種であり、防衛機制のひとつです。

満たされなかった欲求に対して、理論化して考えることにより自分を納得させることです。

 合理化は問題とされている行動・感情について、その事実を述べることを避けるために、一見すると合理的で論理的な正当化して述べることです。

あるいはもっともらしい手段により、意識的に許容できるものにすることです。

これはまた、推論における非形式的誤謬(informal fallacy)でもあります。

 合理化は、以下の2段階によって行われます。

  何らかの理由によりまず先に決定、行動、判断が行われます。

もしくはまったく理由がないこともあります。

  事実の後、行動を正当化しようとする試みとして、一見すると問題なく論理的なものを構築しようと合理化が行われます。

これは自身のためのこともあれば他人のためのこともあります。

 合理化の例私たちの多くは、半定期的に合理化を行っています。

例えば、ある人は機嫌が悪かったり、一般的に無作法な振る舞いをしたりしたときに、朝の通勤時間に交通事情が悪かったと説明するかもしれません。

昇進を見送られた人は、結局そんなに責任を負いたくなかったと主張して、失望を正当化するかもしれない。

合理化は、安全でない感情や動機から人々を守るという意味で適応的である場合もありますが、不適応な行動や心理的不安を助長する場合もあります。

合理化は心理療法において障害となり、プラトニックな関係や恋愛関係を阻害する可能性があります。

虐待されたパートナーが要求を満たさないことに基づいて行動を正当化したり、パートナーが非協力的であると主張したりするのは、病的合理化を行っていることになります。

しかし、訓練を受けた心理学者は、自分の行動を論理的に説明することと、根底にある感情や動機を覆い隠すことの違いを認識しようと努めています。

合理化があなたに与える影響例えば、辛い別れを経験して本当に悲しくなった人が、「たぶん、それが最善だったのだろう」と「運命だったのかもしれません」といった言葉をよく口にするそうです。

どちらも希望を持って未来を見つめる前向きな言い方で、別れから前に進むために、現実的で前向きな見通しを立てるのに役立ちます。

これらのような発言は、その場では悲しいと感じながらも、永遠に悲しいわけではないことを思い出させることができるのです。

しかし、その代わりに、「そんなに気にならなかったから」「ちょっと休憩しているだけで、最終的には元に戻るから」などと言って自分を慰めると、不健康で非現実的な思考パターンを自分自身で作り出してしまうことになります。

このように状況を合理化すると、感じている痛みへの対処から自分を保護し、健康的な方法で痛みを克服するのを妨げます。

つまり、これらの例からわかるように、合理化はあなたの精神的、感情的な健康に非常に悪い影響を与える可能性があるのです。

しかし、残念ながら、合理化のマイナス面はこれだけではありません。

不快な真実から自分を守るための全体的なパターンを身につけると、自分自身の不適切な行動の例など、多くの状況の現実が見えなくなる可能性もあります。

例えば、誰にでも悪意がなくても、時には悪い行動をとってしまう瞬間があるものです。

もしかしたら、パーティーで酔っぱらいすぎて、不適切なことを言ったり、他の人を不快にさせるような行動をとってしまうかもしれません。

同様に、その場の勢いで怒ってしまった場合、怒りのままに暴言を吐き、その言葉で他人を傷つけてしまうかもしれません。

自分をバカにした、あるいは他人を不快にさせたと考えるのは誰にとっても好ましいことではありませんが、時にはそれが単に私たちの行動の不快な現実であることもあるのです。

そんなときは、自分が感じている恥ずかしさや不快感を認めてあげるとよいでしょう。

健全な方法で自分の感情と向き合えば、可能であれば償いをし、自分の行動やその原因、今後の行動方針について批判的に考え始めることができるのです。

しかし、痛みや不快感を覚えないようにすると、痛みを通して成長する方法を学ぶ機会も奪ってしまうことになります。

 

 

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