ダニング=クルーガー効果

ダニング=クルーガー効果(Dunning–Kruger Effect)は、認知バイアスの一種で能力の低い人ほど自分の能力を過大評価するという心理効果です。

1999年にコーネル大学とダニングとクルーガーがこの効果を提示しました。

なお、2人はこの研究で2000年にイグ・ノーベル賞を受賞しています。

2人によると能力の低い人は自分の能力を高く誤評価して、能力の高い人は反対に他人の評価を高く誤評価します。

2人は以下のような能力の低い人が持つ特徴も示しています。

  • 自身の能力が不足していることを認識できない
  • 自身の能力の不十分さの程度を認識できない
  • 他者の能力の高さを正確に推定できない
  • その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自身の能力の欠如を認識できる

ダニングとクルーガーの研究

ダニングとクルーガーは学生の知的スキル、英語の文法、ユーモアセンスなどについての自己評価を調べることで仮説を検証しました。

その結果、有能な学生は実際の評価よりも自分を低く評価し、無能な学生は実際の評価よりも自分の評価の方が高くなりました。

中には12%の評価だったにもかかわらず自分では62%だと評価した学生もいました。

優秀な学生が自己評価を低くしたのは、自分が解ける問題は誰でも解けると考えたからです。

ダニング=クルーガー効果による問題点

能力がない人は自分自身の能力の低さや知識の少なさを認識できていません。

その結果自分は知識が豊富だと勘違いしているので、知識を増やそうとする努力もすることはありません。

反対に能力が高い人は自分の能力が劣っているという意識なので、知識を増やそうと努力します。

その結果両者の知識の差がますます広がる結果になります。

そうなると能力が高い人が能力の低い人に対して皮肉を言ったとして、能力の低い人はそれをまともに受け取りほめられたと感じてしまいます。

反対に能力が高い人が冗談を言っても通じないので、まともに受け取られて怒り出すと言うことも考えられます。

このように能力の高い人と低い人のコミュニケーションがうまくいかなくなる可能性が高くなります。

また、ダニングとクルーガーの研究対象はアメリカ人だったため、アジア人など他の人種での研究を行っていません。

たとえば、アジア人には謙譲の美徳という意識があるので、自分の能力が低いことを素直に認めて、知識を高める努力をするといったパターンも考えられます。

そのため、ダニング=クルーガー効果が必ずしも当てはまらないこともあります。