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10,000時間の法則


更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:01 JST

 

10,000時間の法則とは

10,000時間の法則とは、特定の分野で成功を収めるためには、10,000時間の練習や下積み期間が必要になると言う法則です。

イギリス生まれの元新聞記者、マルコム・グラッドウェルの著書「天才! 成功する人々の法則」(講談社、2009年)によって提唱されています。

グラッドウェルが著書で10,000時間が成功するために必要な時間とした根拠には、心理学者のアンダース・エリクソンらが1993年に発表した調査結果があります。

エリクソンの調査内容

エリクソンは以下の4つのグループの対象者を調査しました。

1. 音楽アカデミーでバイオリンを専攻していて、ソリストとして国際的に活躍する力があるとみなされた学生
2. 1.を除くバイオリン専攻の学生
3. 音楽教育学部でバイオリンを専攻する学生
4. 交響楽団のバイオリン奏者

4つのグループが調査時点より前の、バイオリンの練習を始めてから18才までの推定練習量の総時間は以下のとおりです。

1. グループ1:7,410時間
2. グループ2:5,301時間
3. グループ3:3,420時間
4. グループ4:7,336時間

各グループの調査時点での1日の個人的な練習量には、それほど大きな差はありませんでしたが、トータルの練習量では大きな差が生まれています。

1と4のグループは20才時点での練習量は累計10,000時間に達していることから、グラッドウェルは10,000時間の法則の根拠としました。

10,000時間の法則への反論

10,000時間の法則に対しては以下の反論があります。

  • 10,000時間も必要ない
  • 練習量以外の要素も大きい

10,000時間も必要がないという反論の主旨は、効率よく学べば10,000時間もかからずに習得できるというものです。

しかし、この反論は10,000時間の法則への誤解もあります。

この法則ではエキスパートになるには膨大な時間が必要だと言っているのであって、単に習得するために必要な時間のことではありません。

一般的なレベルを超えるためには10,000時間が必要だという主旨を誤解した反論だと言えます。

しかし、練習量など本人の努力以外に、エキスパートになるためには資質や才能など持って生まれたものも影響しているという反論には一理あります。

ただし、エキスパートになるためには練習量以外の要素も必要なことは認めるけれども、その中で最も重要なのが本人の努力だという再反論にも納得できる点があります。

 

 

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