更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:09 JST
マッチングリスク意識とは
マッチングリスク意識とは消費者が商品の購入やサービスの利用をしようとするときに感じる不安のことです。
特に初めての商品やサービスでは価値判断が難しいので、購入後のリスクを感じやすくなりそれが購入を妨げることになります。
マッチングリスクは購入して失敗したらどうしようという気持ちを引き起こしますが、これは価格が高いときだけ起こるというわけではありません。
日用品であっても初めて買う場合には起こりうる問題です。
もちろん価格が高いほどマッチングリスク意識も高くなるので、高額商品を手がける企業は新商品を販売するときには、必ずマッチングリスク意識への対策を講じる必要があります。
マッチングリスク意識対策への心理学の応用
マッチングリスク意識を避けるためには、心理学の応用が効果的です。
以下の心理学的効果を応用してマッチングリスク意識対策をしてみましょう。
ザイオンス効果
アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果が「ザイオンス効果」で、単純接触効果とも呼ばれています。
マーケティングに限らずあらゆる場面で、何度も接触することが好感度や評価を高めることにつながるという効果です。
これをマーケティングに応用する場合は、広告やTVCM等を頻繁に行って露出を増やすことでザイオンス効果によりマッチングリスク意識を軽減することが可能です。
返報性の法則
返報性の法則は好意に対しては好意を返したくなる心理のことです。
マーケティングでも応用されていて、スーパーの試食コーナーやソフトウェアの無料試用期間、化粧品の無料試供品などは返報性の法則を応用しています。
マッチングリスクは初めての商品に対して感じるので、無料の試供品や試食などで試してもらうことで、リスクも回避できる上に返報性の法則も働き購入に結びつく可能性が高くなります。
ウィンザー効果
ウィンザー効果は当事者よりも第三者からの情報に信憑性を感じる心理のことです。
特にマーケティングにおいては、CMやPRは当事者の企業が発信した情報なので、都合の悪いことは伏せられていると考えるのが普通です。
それが原因でマッチングリスクを感じる消費者も多いので、口コミやユーザーレビューの充実したネットショップ経由で販売するといったことが必要です。
マッチングリスク意識の回避方法
マッチングリスク意識が高い顧客は商品のメリットを知らないのではなく、知っているけれども他に不安を抱えているという状態です。
そのため、商品の良さを積極的にアピールしても、マッチングリスク意識を軽減することはできません。
顧客がなぜマッチングリスク意識を覚えているのかを聞き出す必要があります。
その上でそのリスクを回避する対策をしましょう。
具体的には返金や返品に対応していることをアピールするのもいい方法です。
返金や返品は反対に販売側にリスクがありますが、顧客に自分の意思で購入したという意識があれば、多くの場合返金や返品のリスクは生じません。
それよりもマッチングリスク意識をある程度確実に回避できる返金や返品制度はメリットの方が大きいでしょう。
顧客が故障や破損などのリスクが原因でマッチングリスク意識を抱えている場合は、保証制度の導入が効果を発揮します。
特に高額な商品がすぐに故障して使い物にならなくなるリスクを、確実に排除することができます。
ある程度高額商品であれば、有料の保証サービスでも加入する可能性は高くなります。