ミルグラム実験

ミルグラム実験とは、閉鎖的な環境の下で権威者の指示に従う人間の心理を観察した実験で、アイヒマン実験やアイヒマンテストとも呼ばれています。

実験を行った心理学者はミルグラムですが、アイヒマン実験と呼ばれるようになった理由には以下の史実があります。

アイヒマンは第2次大戦でユダヤ人の虐殺に加担した戦犯で、アメリカに逃亡後に捕らえられ裁判にかけられています。

当初、アイヒマンは残虐な性格をしていたため、このような戦争犯罪を行ったと考えられていましたが、裁判が進むにつれて
真摯に職務に励む、ただの平凡で小心な公務員であることが判明します。

そのため、裁判終了後に「一定の条件下では平凡な市民でも残虐な行為を行う」という仮説の元に心理実験が行われるようになりました。

ミルグラム実験もそのひとつで、1963年に実験結果が公開されてから50年近くに渡って何度も再現できた社会心理学を代表する模範となる実験と言われています。

ミルグラム実験の内容

ミルグラムはこの実験の参加者を新聞広告で、「記憶に関する実験」に関する参加者として20歳から50歳の男性を対象に募集しました。

実験では実験対象者を教師役と生徒役に分けていますが、新聞募集で集めた人は必ず教師役になり、生徒役はサクラが担当するように振り分けます。

教師役は実験前に生徒役が体験する電気ショックを事前に受けてどれくらいのショックなのか身をもって体験します。

その後生徒役に対して4択の問題を与え、間違えると電気ショックが流れるボタンを押し、連続して間違えると15ボルトずつ電圧を上げるよう指示されますが、もちろん実際には電流は流れません。

教師役がボタンを押すことを拒否した場合、教授役のサクラが電流を流すように促しますが、4回続けて拒否した場合、実験は中止になります。

実験の結果、教師役の被験者の65%が最大電圧の450ボルトのスイッチを押しました。

なお、実験前の予想では最大電圧まで押す人は1%程度という予測が為されていました。

また、実験の形態を変えて教師役が生徒役と同じ部屋にいる状況で実験したり、直接生徒に触れることで電流が流れる状況にしたりといった場合でも、最大電圧で罰を与えた比率は30%~40%ありました。