更新日:Tuesday, 07-Mar-2023 02:35:04 JST
アンコンシャス・バイアスとは
アンコンシャス・バイアスとは、無意識のうちに思い込んでしまっていることを言いますが、特別なものではなく誰もが持っているバイアスです。
英語ではUnconscious Bias、日本語では「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識バイアス」などと訳されることもあります。
アンコンシャス・バイアスは、具体的にはステレオタイプな物の見方をする原因とも言えます。
ただし、大量の情報の中から素早くパターンを見つけ出し、早く行動することができるので良い面もあります。
たとえば「子供は大人が思いもよらない行動をとる」というアンコンシャス・バイアスがあれば、運転中に子供を見かけただけで慎重な運転をすることができます。
その結果事故を未然に防ぐことにつながる可能性が高くなります。
しかし、一方でアンコンシャス・バイアスは偏見につながることも多いので、無意識のうちに相手を傷つけてしまうこともあります。
アンコンシャス・バイアスの例
アンコンシャス・バイアスからはステレオタイプの考え方が発生します。
たとえば、以下のような考え方がステレオタイプとなります。
あるグループに属する人には特定の特徴が存在するという考え方
- 裁判官は男性であるべきだ
- 血液型によって性格が決まっている
- 男の子は黒、女の子は赤のランドセル
- 高齢者にパソコンは難しい
- 欧米人は自己主張が強い
また、職場でよくある以下の言動もアンコンシャス・バイアスの実例となります。
- 雑用や飲み会の幹事は新入社員の仕事
- 育児中の女性社員に営業はできないと思う
- 相手の年齢や性別で話し方を変えてしまう
- 定時で帰る社員はやる気がない
- パソコンの画面を見ながら相手の顔を見ずに話をする
- 女性社員には名刺を作らない
- 気に入った部下が失敗しても甘い評価をする
- 「それは常識だろ」と言うことがよくある
アンコンシャス・バイアスの対策
アンコンシャス・バイアスを放置しておくと、意識しなくても差別的な評伝をしてしまうことがあります。
特に企業としてはこうした差別表現をすることが企業イメージを損ない業績が下がる可能性もあるため対策が必要になります。
世界的に検索サービスを展開しているGoogleは「グーグル・ドゥードゥル」と呼ばれている日替わりのロゴが、男女差別だという指摘を受けたことがあります。
これを受けてGoogleは2013年5月から「アンコンシャス・バイアス」と名づけた教育活動を開始し、全世界で2万人以上の社員に対してトレーニングが行われています。
その後、グーグル・ドゥードゥルの男女差・人種差に対する非難が軽減されています。
また、アメリカのオーケストラでは女性演奏者の採用が少なく、1970年代までは5%未満でした。
そこで、採用の審査で審査員と応募者の間に仕切りを設置して、誰が演奏しているかわからない状態にしました。
その結果、女性の採用率が増加し今では40%が女性演奏者となっています。
このようにアンコンシャス・バイアスを解消するためには、意識的な対策をとることが必要となります。