不満や不平などの悪い言葉を吐き出すという点では悪口も愚痴も共通の部分があるかもしれません。
しかし、少し考えただけでも悪口は明確なターゲットがありますが、愚痴の場合は特に対象がなく曖昧な場合が多い気がします。
今回は悪口と愚痴の違いについて考えて見ましょう。
悪口と愚痴は対象が違う
悪口と愚痴の違いについてはまずはその対象から比べてみましょう。
悪口には必ず対象者がいる
悪口を言う場合は必ずその対象となる人がいます。
特定の人(グループも含む)のことを悪く言うのが悪口だからです。
社会全体の悪口を言うのは、社会批判や不平・不満の範疇なので悪口とは言いません。
そのため、悪口を言うときは主語は必ず特定の人物の固有名詞や代名詞になります。
たとえば、
「○○はいつも騒いでいてうるさいやつだ」
「△△はいつも髪がボサボサで不潔だ」
など、人の名前やあいつ、あの人などが主語になるのが悪口です。
一方で愚痴の場合は特定の対象者はいないので、愚痴の主語は自分になります。
基本的に日本語では主観的な言葉は主語が省略されることが多いので、次のようになります。
「(わたしは)生きていくのがつらい」
「(ぼくは)また、失敗してしまった」
このように悪口と愚痴は主語で区別することができます。
悪口は、相手が嫌な思いをすること。
愚痴は、文句だと思っています。
でもどっちにしろ愚痴でもみんな影でいいますから、どっちも一緒のように感じます。
悪口は攻撃的
悪口は特定の人が嫌いで攻撃するために言うことが多いので、言葉の内容も相手を傷つけるような攻撃的な物になります。
たとえば、
「死ね、バカ」
「おまえは生きてる価値がない!」
など精神的な攻撃、あるいは口撃と言ってもいいでしょう。
これに対して愚痴には攻撃性は全くありません。
むしろ弱々しい言葉と言ってもいいくらいで、話しかける対象も曖昧なので場合によっては内容を聞き取れないことさえあります。
「俺ってなんてだめなやつなんだ」
「私はどうしたらいいんだろう」
など、攻撃性どころか攻撃された後に言うような言葉ばかりです。
悪口にはメリットがない
次に悪口と愚痴には言うべき価値が存在するのか考えて見ましょう。
まず悪口ですが、これは明らかに言う価値はないと言えます。
なぜなら、悪口ほど非生産的なものはなく悪口を言っても何の解決にもならないばかりか、解決を困難にすると言ってもいいからです。
また、悪口は言われた方だけでなく悪口を言った人にもストレスがたまり、ストレスがたまることで、また悪口を言ってしまうと言う悪循環も生まれます。
一方で愚痴も言っている内容に生産的なものはないので、同じく無価値で言わない方がいいとも言えます。
しかし、愚痴には悪口にはない思わぬ効果があります。
愚痴は軽い憂さ晴らしになるので、精神的に気分を改善するのに役立ちます。
また、問題点や不満などを口に出すことで明確になるので、問題解決につながることもあるといいます。
悪口にはデメリットしかありませんが、愚痴には多少のメリットもあるのです。
ただし、愚痴を言っている人にとっては精神的な発散になるかもしれませんが、聞かされる人にとってはストレスになる可能性があります。
そのため、あまり人前では愚痴を言わないことも大切です。
まとめ
悪口と愚痴の違いはおわかりいただけたでしょうか。
悪口と違って愚痴には多少メリットがあるようですが、あまり根本的な解決に結びつけるのは難しいかもしれません。
悪口も愚痴もどちらも控えて、別の方法で問題を解決することをおすすめします。
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