
「悪口はいずれ自分に返ってくる」と言われていますが、これは比喩的な表現なのでしょうか。
それとも何かメカニズムがあって、悪口を言うと自分に返ってくるのでしょうか。
ネット上では自分が言った悪口が自分の身に降りかかることを「ブーメラン」と呼ばれています。
ブーメランはその形状によって投げた人に戻ってくるようになっていますが、そこから転じたものだと思われます。
今回はこのブーメランのように悪口は自分に返ってくるのか考えてみます。
人間の脳の仕組み
悪口がブメーランのように自分に返ってくるのは、人間の脳の仕組みと関係があるようです。
新脳と旧脳
人間の脳は大きく3つに分かれていますが、反射神経を司る部分を除くと大きく2つに分けることができます。
1つは動物的な本能を司る大脳辺縁系ですが、古皮質・旧皮質・辺縁皮質とも呼ばれている古い脳です。
仮にこれを旧脳と呼ぶことにします。
もうひとつは人間の理性的な部分を司る新皮質と呼ばれる部分で、旧脳と対比して新脳と呼ぶことにしましょう。
新脳は理性的に言葉を正確に理解するので、聞いた言葉の主語も理解できます。
つまり誰のことを言っているのかわかるのです。
しかし、旧脳は人間が言葉を使う前から存在していた部分なので、主語とは何かと言うことさえ理解できません。
旧脳は言葉はすべて自分のことだと受け取る
旧脳が主語を理解できないということは、自分が発した言葉も自分に言われていることだと勘違いしてしまうことになります。
つまり第三者に言った悪口も自分が言われたと思ってしまうのです。
もちろん冷静になって発した言葉は、新脳で処理するので主語を間違えることはありません。
しかし、感情的なって本能的に発した悪口は、自分に向かって言っているのと同じになります。
口汚く感情的に人を罵るほど、脳は自分の悪口を言われたと思い込むということですね。
大脳辺縁系は古い脳であり、古皮質・旧皮質・辺縁皮質等とも呼ばれ、大脳皮質の下に奥深く存在しています。
哺乳動物が本能的に生き、活動するための脳といえます。
アニマルとしての欲望に支配され、行動力に富んだ動物脳といえましょう。
悪口が自分に返ってくる仕組み
感情的になって悪口を言っていると、その言葉は自分に向けられたものと旧脳は勘違いをします。
これは悪口が回り回って自分に返るのではなく、ストレートに自分の言った悪口が自分に返ってきています。
悪口を言うことで脳内に快楽物質が出るので、一時的に快楽になりますが、すぐにその悪口が自分に返ってくるのでストレスホルモンも発生します。
悪口が自分に返ってくるもう1つの仕組み
人間関係を考えた場合、自分が言った悪口は回り回って自分に返ってくることがほとんどです。
悪口を言ったら言われる
人の悪口を言えばその悪口が対象者の耳に入った時点で、自分も悪口を言われるという覚悟が必要です。
自分だけは攻撃を受けずに、安全に攻撃だけできるとは思わない方がいいです。
たとえ直接相手に悪口を言わずに、陰口を叩いたとしてもその悪口はいつかは相手に伝わります。
なぜなら悪口は誰かに聞かせるために言うものだからです。
陰口でも聞かせる相手がいる限り、その人がまた誰かに話し、それを聞いた人がさらに誰かに話します。
こうして悪口が広まって最終的には悪口の対象者に伝わるでしょう。
そうなれば誰が陰口を言っていたのか分かるのも時間の問題ですね。
自分が悪口を言ったら自分も悪口を言われる可能性が高いのはこういうことです。
悪口を言われても言い返さない
よく悪口を言われても無視をする、スルーするのが一番といいますね。
悪口を言われた上に、言った相手に悪口を感情的に返してしまうと、旧脳の働きによって二重に悪口を言われたのと同じになってしまいます。
つまり相手から言われた悪口プラス、自分が相手に言った悪口も自分に対する悪口と同じ効果があるからです。
悪口を言い返すことはわざわざダメージを2倍にするようなものですね。
悪口は無視をした方がいいというのは、科学的な根拠もあると考えましょう。
悪口は絶対誰かが告げ口します。
人から言われても同意したら言ったも同然、同類になります。
「あゝそうなんだ」の対応がいいかも。
まとめ
悪口は自分に返ってくるというのは、何かオカルトや宗教的な例え話かと思っていた人でも意外に根拠のあることだと思い直したのでないでしょうか。
因果応報という言葉がありますが、悪口に関しては正しい表現なのかもしれませんね。
そう考えると悪口を言われてもムキになって言い返すのは得策ではありません。
冷静に対処して旧脳は使わないようにしましょう。
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