日本語には悪口に該当する単語が少ないと言われています。
その一方で日本語の悪口は、海外の人が聞くと激怒するような内容で、許容範囲を超えているともいわれています。
はたして日本語の悪口、日本人の悪口は国際的にはどんなレベルなのでしょうか。
今回は日本の悪口について考えてみましょう。
外国では言いたいことがあったら、直接相手に言うことが多い。一方、日本では陰口が多い。
日本で陰口が多い理由は次の通り
・陰口を言うことがコミュニケーションになっている
・相手に面と向かって悪口を言うことでケンカになることを避けたい— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) September 24, 2021
日本語の悪口言葉
日本語には人を悪く言う言葉、ののしり言葉のボキャブラリーが日本語以外の言語よりも少ないと言われています。
日本の悪口はボキャブラリーが少ない
たとえば、ロシア語で「バカ」という意味の悪口は10種類以上あって、それぞれ悪口の度合いが違います。
これに比べて日本語では「バカ」「アホ」の種類くらいしかありません。
昔は「あんぽんたん」「ノータリン」「ヌケサク」といった悪口もありましたが、今ではほとんど聞くことはありません。
ちなみに「ノータリン」は「脳足りん」が語源です。
このように今は使われていない言葉を集めても、10種類以上探すのは困難です。
演劇の訓練でお互いに向き合って悪口を言い合うという方法がありますが、日本語でこの訓練をすると長続きしないそうです。
ところが英語でやると延々と続くといわれています。
それだけ日本語にはののしり言葉が少ないのです。
日本は過去に他国から直接侵略された経験がほとんどなく、植民地にされたこともありません。
そのため、民族的に虐げられたことがないということも、悪口のボキャブラリーが少ない原因かもしれません。
ところがその一方で日本語を勉強している外国人からは、日本語の悪口は酷いとも言われています。
ボキャブラリーは少ないのに内容がひどいというということになりますが、それはなぜなのでしょうか。
アメリカに永年住んでいるものです。
日本語と英語を日常的につかっていますが、日本語にいわゆる英語で言うSwear Word(のろいの言葉)がきわめて少ないことは以前から思っていました。
日本では容姿などについて悪口を言うことが多い
日本に来た外国人が日本語の悪口を聞いて酷いと思うのは、日本では対象者の容姿や年齢など本人にはどうしようもない要素を容赦なく罵倒するからです。
「チビ」「デブ」「ハゲ」「ブス」「ジジイ」「ババア」といった悪口は世界レベルでは、許容範囲を超えた許されない部類の悪口なのです。
そもそも「ブス」のような悪口は英語にはない言葉です。
醜い女性を表す単語が英語には存在していません。
こう言われてみると日本語は悪口のボキャブラリーは少ないですが、その内容は海外にはない過激な言葉であることがわかります。
なぜ日本語はここまで直接的に身体的特徴や年齢などを攻撃するような悪口が多いのでしょうか。
日本ではなぜ見た目の悪口も平気で言うのか学術的な根拠は知りませんが、昔から日本にはタブーが少なかったのかもしれません。
古典落語を聞いてみると平気で身体障害者をいじったり、死体に踊りを踊らせたりといった内容を笑いにしています。性的な話でさえタブーではありません。
こうしたおおらかな文化が悪口も軽口にしてしまったのかもしれませんが、国際社会という面を考えると少し考え直したほうがいいのかもしれませんね。
空気を読む文化が背景にある
もし外国で日本語と同じ内容の悪口をいったら、ひどく非難されたり、場合によっては暴力を受けたりする可能性もあるでしょう。
しかし、日本人は身体的な特徴や年齢の悪口を直接本人に言う場合は、言ってもいい相手や時と場所を選んでいます。
少なくても言ったらケンカになる場合は、陰口という形で相手に聞こえないところで言うのが一般的です。
つまり悪口を直接言う場合は空気を読んで、悪口を真剣に捉えて傷ついてしまうような人には言わないようにしています。
たとえば「ブス」という悪口は誰が見ても容姿が悪い女性に対しては言わず、むしろ美人に対して言うことが多いのです。
つまり「ブス」だと思っていないから平気で「ブス」と言うことができるのです。
ただし最近では、テレビで女芸人に対して平気で「ブス」という悪口を言うので、それをマネして使う人もいるので一概には言えなくなっています。
日本では直接相手に悪口を言うと言うことはほとんどありません。
そんなことをすれば場合によっては取っ組み合いのケンカに発展することもありますが、日常生活でそんなケンカを見ることもありません。
ケンカを避けるという意味もあるかもしれませんが、ほとんどの人が
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) July 14, 2021
面と向かって悪口を言っても何も解決しないことを知っているからです。
悪口を言えば少しはすっきりするだけで、相手がいくら悪くてもそれを指摘したり説得したり、強制したりすることはできないからです。
それどころか逆恨みされて復讐される可能性の方が高いでしょう。
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) July 14, 2021
仕事で見返してやるなど悪口以外で相手にわからせる手段を考えた方が建設的ですね。
— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) July 14, 2021
まとめ
日本語の悪口が少ないのはいいことですが、一方で数少ない悪口の内容が世界レベルでは許容範囲を超えているというのは問題ですね。
日本だけで悪口を言っている分には、空気を読むという文化が背景にあるのでそれほど問題になりません。
しかし、外国人の居住する割合も高くなっている現在では、空気を読まなくても通用する悪口に切り替える必要があるのかもしれません。
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