よく「夫婦げんかは犬も食わない」と言われますが、これは何でも食べる犬でさえ見向きもしないという意味で、ほうっておいても問題ないということわざです。
夫婦は恋人同士の延長の場合もあり、それなりに長い間いっしょに時間を過ごしているはずですが、それでも悪口を言い合うことは日常茶飯事です。
今回は夫婦間での悪口にはどんな特徴があるのかを事例を見ていきましょう。
夫婦の悪口は犬も食わない?
男女が長い時間一緒にいるとそれだけ理解が深まるかというと、そうでもないようです。
むしろ時間が経つにつれて溝が深まったり、疑問が増えたりする場合もあります。
帰宅が遅くなったことで文句を言う夫
年齢を重ねてからの同窓会は、性別にかかわらず楽しいものですが、特に女性にとっては楽しいことのようです。
そのため帰宅時間が予定した時間よりも遅くなったことで夫と口論になることがあります。
夫「何時だと思っているんだ。主婦がこんな時間まで家を空けていいと思っているのか!」
妻「そういうあなただって接待やら付き合いやらで、しょっちゅう午前様になるくせに!」
公平な立場で評価するとどっちもどっちで、まさに犬も食わない夫婦げんかですが、お互いの悪い部分をピックアップしてみましょう。
夫の悪い点
妻は常に家にいて家事をしていればいいという古い考えを持っています。
そうであれば同窓会に行くこと自体を否定すればまだ筋が通っていますが、同窓会に行くことは認めたのに時間に遅れただけで妻を怒鳴りました。
この背景には自分なら同窓会で人妻を誘うかもしれないので、妻も誘われた可能性があり、遅くなったことで必要以上に怒った可能性があります。
これは「投影」と呼ばれる心理的なメカニズムで、自分の欲望を同窓生の自分が知らない男性に重ねているのです。
妻の悪い点
妻の悪口は典型的な売り言葉に買い言葉といえるでしょう。
夫が妻の帰宅が遅かったことを心配する言葉をかける程度であれば、何事もなく終わったはずです。
ケンカ腰に言われたことで逆上してケンカになったと考えられます。
自分が痛いところを突かれてしまうと、人は防衛本能として攻撃に出てしまいます。
その結果、夫の過去を持ちだして自分を正当化することまでしてしまうのです。
夫が何度も浮気をすると悪口を言う妻
TVや雑誌などで何度も浮気する夫に対する相談を見たり読んだりすることがあります。
たいていの回答では「別れなさい」という結論が多いですが、誰が考えてもそうした結論になるはずです。
それでも相談するということは妻には別れる意思がないと考えられます。
以下は、友人に浮気をやめない夫の悪口を言う妻の事例です。
- 「これからは絶対に浮気をしない」と言ったから許したのに、最近挙動が怪しい。また浮気をしているのかもしれない。私の気持ちが分からないひどい人だ。
何度浮気されても別れない女性というのは、いつかきっと自分の気持ちを分かって浮気をやめるだろうと思っていますが、無意識の中では違うことを考えているのかもしれません。
つまり、「私がいなければこの人はダメになる」「私しか浮気癖を治せない」と考えているのです。
これは心理学では「共依存」と呼ばれていますが、男性が女性に依存しているようで、実は女性もその状況に依存していることを言います。
つまり、女性は自分が必要とされていると思い、必要とされている状況に依存して抜け出せないでいるのです。
夫は浮気が好きなのかもしれませんが、妻もそれを許してしまう自分が好きなので別れられないのです。
家事をしない夫への悪口
日本では家事をしない夫が普通だった時代が長いため、今でも家事は妻だけがするものだという認識の男性がいます。
働いているのが男性だけであれば、その考えもまだ納得できますが、ほとんどが共働きの現代では通用しない考えです。
家事の分担を決めてスケジュール化すれば解決しそうなものですが、会社の仕事はいつも定時で終わるわけではありません。
どちらも公務員であればうまくいくかもしれませんが、どちらも一般的な会社勤めであれば、会社の都合で家事スケジュールを守れないことがあるでしょう。
そうなるとお互いに自分のことは棚に上げて相手を非難するようになります。
俗に「バイアスがかかっている」という言い方をすることがありますが、心理学では「認知バイアス」と呼ばれています。
いわゆる「思考の偏り(かたより)」のことで、バイアスには種類があります。
わかりやすい例では「自分のことを棚に上げる」というのは「自己奉仕バイアス」のことになります。
- Aさんがコップを割ってしまった→Aさんはドジ
- 自分がコップを割ってしまった→コップの置かれていた場所が悪い
上記の例でわかるとおり自分に都合のよい解釈をしてしまうのも自己奉仕バイアスの一つです。
お互いに家事をしなければいけない状態で、自分ができなかったときは都合のいい理由を見つけますが、相手ができなかったときは相手が悪いとお互いに思ってしまうのです。
家事をしない夫に悪口を言いたくなるのもわかりますが、自分のことは棚に上げていないかも考えてみましょう。
夫婦の場合はお互いに一歩引くくらいがちょうどいいのかもしれません。
それだけ収入格差があったら、質問者様の思うような家事手伝いを期待するのは、難しいと思います。
ダンナさんの収入で、十分に生活できるのに、働こうとするのは質問者様の自分の都合ということはありませんか?
まとめ
夫婦間の悪口はいかがでしたか?
男女も長い間一緒にいると、当然相手は自分のことを理解していると思いがちですが、実際はお互いに分かっていないことも多いのです。
その点に気付くだけで悪口を避けることができるかもしれません。
欧米では夫婦間でもお互いに悪口を言うことは少ないようです。
むしろほめることが多いらしい。
しかし、同じ人間なので悪口を言いたくなるときは必ずあるはずですが、どこで発散しているのでしょうか?
それは日本ではあまり普及していないカウンセリングの場ではないでしょうか。— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) May 15, 2021
映画やドラマではカウンセリングの場では、本音を言っているイメージがあるので、たまったストレスを吐き出す場所としても利用されているのかもしれませんね。
日本では第三者に本音を言うと言うことに抵抗がある人が多いので、あまりそうした使い道はできないかもしれません。— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) May 15, 2021
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