たかが悪口を言われたくらいで訴訟まで考える人は多くないでしょう。
しかし、あまりひどい悪口を言われたり、根も葉もない噂を広められたりしたときに、本気で訴えてやろうと思ったことはありませんか?
悪口があまりにもひどいため健康状態に影響が出るなら、裁判を考える必要がありますね。
現実的に、悪口を理由に訴訟をすることは可能なのでしょうか。
結論から言ってしまえば、まったく不可能なことではありません。
もちろん、悪口を言われたらすべてが訴訟の対象になるわけではありません。
今回はどんな悪口が訴訟の対象になるのかについて紹介します。
訴訟の種類
一口に訴訟といっても大きく分けて刑事訴訟と民事訴訟があります。
刑事訴訟
悪口を理由に刑事訴訟ができる可能性があるのは、侮辱罪と名誉毀損罪です。
侮辱罪
侮辱罪が成立するには以下の要件が必要です。
「公然と事実を摘示し相手を侮辱した」
上記には3つの用件が含まれていて、まず相手を公然と侮辱していなければいけません。
つまり個室(密室)に二人きりでいたときに侮辱されても成立しません。
職場であれば、周囲に同僚などがいるか、個室でも扉を開放している状態でなければいけないのです。
そして、相手を侮辱した言葉は事実でなくてはいけません。
「〇〇と不倫している」と侮辱した場合は、その不倫は事実でなくてはいけないと言うことです。
最後の侮辱に関してはいわゆる悪口であっても、それが事実であれば対象となるでしょう。
身体的特徴をあげつらう悪口などがわかりやすい例です。
名誉毀損罪
名誉毀損は、拘留や科料が罰則の侮辱罪よりも重く、懲役や罰金刑となります。
侮辱罪と成立要件ほとんど同じですが、大きく違う点は名誉を毀損する言葉が事実でなくても、あたかも事実のように言っていれば成立するという点です。
「〇〇と不倫をしている」と言われて、それが事実でなくてもかまわないのです。
民事訴訟
ひどい悪口を言われて侮辱された、名誉を毀損されたと感じて、刑事訴訟を起こして勝訴しても基本的に慰謝料などは得られません。
しかし途中で示談を成立させて慰謝料をもらうことは可能です。
それよりも最初から損害賠償を求めるのであれば、民事訴訟を起こすことができます。
名誉毀損は民法上の不法行為になるので、民事訴訟で損害賠償や慰謝料を請求することが可能です。
相手に前科を付けたいのでなければ、民事訴訟を検討してみましょう。
パワハラとして訴える
悪口の流布が職場で行われていて、さらには悪口以外のハラスメントもあれば、パワハラで訴えるという方法もあります。
パワハラの加害者の対象は上司だけでありません。
同僚や先輩、ひどい場合には職場全体でパワハラを行っているケースもあります。
まずは悪口がパワハラとなるのか、第三者に相談してみましょう。
社内に相談窓口があれば、最初に相談すべきですね。
社内窓口は相談しづらいかもしれませんが、内部事情に詳しいので配慮してもらえます。
社内窓口がない場合は、法テラスや労働監督基準署など外部に相談する方法もあります。
ひどい悪口が続いているような状態では、自分では客観的な判断ができません。
第三者の専門家に相談するのが得策です。
法テラスは相談内容に応じて専門家を紹介してくれるので、パワハラだけでなく名誉毀損などを考えている場合でも対応できます。
何かあったら記録して、上司が段々図に乗って来てこれは完全にパワハラだろうと思ったらハッキリと不快であることを意思表示して、その上司の上司に相談して、改善が見られなかったら労働基準監督署に訴えましょう。
まとめ
訴訟を考えるほど悪口や嫌がらせがエスカレートしてきたら、証拠を残すことを考えたほうがいいでしょう。
どんな訴訟でも証拠がなければ勝ち目はありません。
しかし、訴訟を考える前に感情的に判断していないかどうか確かめるためにも、親しい友人などに相談することが大切です。
誰かに話すことで冷静になって客観的な判断ができることもあります。
職場で悪口を言われてもただちに裁判を起こす人はいません。
もし同じ職場の人を訴えたら、職場の居心地が悪くなることは間違いないでしょう。
職場の人を訴えるのなら「ほかに解決策がない」「もう我慢できない」「辞めてもいい」場合に最後の手段として考えるべきです。
— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) February 7, 2021
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