悪口はどこでも聞くことができますが、もっとも身近な悪口はやはり職場で多く聞かれるのではないでしょうか。
職場は一種の閉鎖された社会で、生まれも育ちも違う人たちが一緒に仕事をしています。
中にはライバルを蹴落とそうと考えていたり、将来の伴侶を射止めようとしたり、様々な欲望が渦巻いている場所だと言えるでしょう。
今回はそんな職場で交わされる悪口の中でも、上司への悪口にはどんな特徴があるのかを考えてみましょう。
上司への悪口でありがちな事例と心理
職場でもっとも悪口の対象となるのはやはり上司であることには異論はないでしょう。
部下のほうが人数が多いうえに命令を下す上司は反感を買いやすいからです。
飲みに誘う上司への悪口
飲み会が好きな人でも、直接上司に誘われて飲みにいくのは嫌だという人は多いのではないでしょうか。
たとえそれが上司のおごりだとしても、おごったことを恩に着せたり、威張ったりする上司であればなおさらです。
部下を飲みに誘って威張っている上司は、出世を考えているとは思えません。
すでに出世は諦めていて今の立場を維持しながら、部下に威張り散らして楽しんでいるような上司です。
そんな上司をほめる部下はいません。
飲みに誘う上司は悪口を言われても当然とも言えるでしょう。
しかし、そんな上司に付き合って飲みに行ったのに、上司の悪口を言う部下にも問題はあります。
悪口を言うくらいなら最初から断ればいいだけの話です。
実際に断っている人も多いはずです。
飲みに誘う上司の悪口を言う部下は、上司に不満を感じていますがおごってもらって飲んだのでそのときは不満が言えず、あとで悪口を言っているのです。
つまり、上司に付き合わされて飲んでいる部下ほど、悪口を言う条件が揃っているので、せっかく上司がおごっても、上司は悪口を言われてしまうのです。
「今日はお腹の調子が悪くてお付き合いできそうもありません。
ごめんなさい」でいいと思う。
後は貴方の演技力!!
断るときは、お腹を押さえて、ちょっと悲しげな表情で言えば、あほな上司じゃない限り「残念だね」と言ってくれるんじゃないかな?
リーダーシップがないことを非難する
上司としてリーダーシップを取れないことを非難する悪口はよく聞くことがあります。
特に部下の意見をよく聞いてその意見を反映させる上司は、リーダーシップがないと悪口を言われるケースが多いようです。
しかし、部下の意見をよく聞いたとしても、丸々その通りに実行するのでない限り、部下の意見を反映させることは部下にとっても良いはずです。
それでも上司が悪口を言われるのは、部下が理想とする上司像とは違っているからなのかもしれません。
リーダーシップのある上司というのは、仕事の方針をはじめ誰が何をやるのかも上司が決め、仕事の進め方も上司が指示します。
こうしたやり方をリーダーシップがあると考える人が多いでしょうが、見方によっては自分が思い通りに仕事をさせているだけです。
つまり、自分の手となり足となって動く人がほしいだけなのです。
そのため、自分の思い通りに動く部下を優遇しがちになり、反対意見を述べる部下は排除するという行動を取ることが多いのです。
リーダーシップとはこういうものだと考えている部下は、部下の意見を取り入れる上司はリーダーシップはないと感じるのです。
そのため、本当に部下のことを考えている上司でも悪口を言われる結果になることもあります。
えこひいきをする上司への悪口
日本では子供の頃から「えこひいきは悪いことだ」という教育をしているように感じます。
もとろん、先生が生徒をえこひいきするのは、ほとんどの場合は悪いことです。
特に義務教育であればすべての生徒は平等であるべきです。
しかし、その生徒のレベルにあった教育を考えるのであれば、すべての生徒に同じ教え方をするのもまたおかしいということになります。
それでも教育ではある程度平等な取り扱いは必要ですが、社会人となって企業で働く場合はむしろ平等であることはおかしいのです。
なぜなら一人一人能力や実績が違うのですから、それに見合った評価が必要になるからです。
むしろ、えこひいきが当たり前の世界と言ってもいいでしょう。
筆者が会社勤めのときは堂々と「おれはえこひいきをする」と言っていた上司もいたくらいです。
それではなぜ、えこひいきをする上司の悪口を言う人がいるのでしょうか。
それは自分よりも仕事ができないと思っている人が高い評価をもらっているからです。
営業成績など数字で評価される職場であれば、誰の成績がいいのかは一目瞭然ですが、そうでなければ評価は上司次第というケースもあります。
しかし、数字で実績がはっきりしている職場でも、人事評価は実績だけではなく将来性や周囲との協調性も重視されることがあります。
特に日本では実績が良くても協調性がない人の評価は低くなりがちです。
自分で「あいつよりも実力がある」と思っている人は、そうした数字だけを見ていてそれ以外の要素は考えていないのです。
そのため「あの人は実力がないのに自分よりも評価されている」「上司はえこひいきしている」と考えてしまいます。
もっとはっきり言うと、憤りを感じているのは自分が正当に評価されていないことではなく、自分が低く評価されていることです。
つまり、自分が高く評価されていれば、その評価が正当なものでなくても満足して悪口は言わないでしょう。
えこひいきを理由に上司の悪口を言う人は、自信過剰で傲慢な人が多いのです。
まとめ
上司への悪口は的を射ているものもありますが、部下の間違った考え方や性格によって不当に悪口を言われているケースもあります。
みなさんは上司の悪口を言う前に、本当に正しい評価なのかを考えるようにしてみましょう。
ときには同僚と意見交換をして、いろいろな考え方を知ることも大切です。
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