悪口、批判、誹謗中傷はよく混同されて使われることが多く、この3つの言葉を的確に区別して使っている人は少ないのではないでしょうか。
今回は言葉を整理する意味で、悪口、批判、誹謗中傷のただし意味や使い方をそれぞれ考えてみたいと思います。
悪口・批判・誹謗中傷の言葉としての意味
まずは悪口・批判・誹謗中傷を言葉として辞書ではどんな意味があるのかを調べてみましょう。
悪口・批判・誹謗中傷の意味
まずは3つの言葉の意味を辞書で確認してみましょう。
◆悪口
他人を悪く言うこと、その言葉。
◆批判
良い所、悪い所をはっきり見分け、評価・判定すること。
◆誹謗中傷
根拠のない悪口を言いふらして他人の名誉を損なう行いのこと。
上記の意味からは、誹謗中傷は悪口を言って他人の名誉を毀損することなので、悪口を使って他人をおとしめる行為のことになります。
誹謗中傷は悪口の中に含まれると考えていいでしょう。
しかし、批判は悪口とは全く関係がないこともわかります。
これらの意味を踏まえてそれぞれどのようなときに使うのかも考えてみましょう。
悪口・批判・誹謗中傷の使い方
3つの言葉はどのようなときに使うのか、その使い分け方を考えてみましょう。
悪口の使い方
悪口は最も一般的に使われている言葉ですが、それだけに幅広いと使い方をされるという特徴があります。
自分で使うときのことを考えてみてもよくわかるでしょう。
最もよく使うのは、相手を感情的にののしるときに使う言葉のことですね。
相手に悪意があったり、相手が嫌いだったりするときに言う言葉としての悪口が最も一般的です。
冷静さを欠いているときに使われることが多いので、汚い言葉や侮蔑的な言葉を繰り返し使います。
これに対してもっと軽い意味での悪口もあります。
親しい友人や家族に対する悪口などは、信頼関係を前提とした悪口になるので、言われた方もあまり真剣には受け止めません。
悪口というよりは「軽口」に近い使われ方をすることもあります。
たとえば同じ「バカ」という侮蔑的な言葉でも、第三者に対して強い口調で言う場合は、強い憎しみや嫌悪の感情が込められています。
しかし、親しい人に「バカ」と軽い口調で言えば、そこには侮蔑の意味はなく、むしろ親しみが込められていることさえあるのです。
悪口には重い意味から軽い意味まで幅広い使い方があるので、「悪口」という言葉を使うときはどの程度の重さで使っているのかを明確にした方がいいかもしれませんね。
批判の使い方
批判が悪口や誹謗中傷と違う大きなポイントは、感情的でないという点です。
悪口や誹謗中傷の場合は、少なからず感情的なものが含まれています。
しかし、批判には感情的なものはな、くむしろ感情と対極にある論理的な思考から生まれるものなのです。
たとえば歩きスマホをしている人に何かを言った人がいるとします。
歩きスマホをしている人に体をぶつけられて、怒って文句を言った場合は、その言葉は悪口と分類されるでしょう。
しかし、歩きスマホは危険だということを説明し、やらないように説得しようとしている場合は、それは批判と言うことができます。
批判には論理的な考え方の他に、その言動を直してほしいという愛情に近いものも含まれていると考えられます。
なぜなら、もし相手に対して間違った行動を直してほしくない、どうでもいいと思っているのであれば、わざわざ批判をする必要はないからです。
だまってバカなことをしていると笑っていればすむ話です。
ですから批判という言葉を使うときには、その言葉に論理的な部分や相手に対する愛情があるのかを考えて見ましょう。
批判の理想は、批判をしたらそれを解決するための意見・提案が必要です、できれば。
批判のための批判が多いのが、ネット系の特徴です。
本人の前で、注意、または、アドバイスすることは、悪口ではないです。
誹謗中傷の使い方
誹謗中傷の「誹謗」は、他人を悪く言うこと、つまり悪口のことです。
「中傷」は根拠のない事を言いふらして、他人の名誉を傷つけることと言う意味です。
この誹謗中傷という言葉は、最近よく聞くようになりましたが、その原因はSNSの普及にあります。
匿名で利用できるSNSで有名人の悪口が不特定多数から書き込まれ、有名人を誹謗中傷する行為が増えています。
有名人の悪口をSNSに書き込む人たちは、ほとんどがみんなやっているからという理由で、悪口を書き込んでいます。
まさに根拠なく相手を侮辱したり、名誉を傷つけたりしているので、典型的な誹謗中傷と言うことができます。
誹謗中傷は単なる悪口ではなく、相手を傷つけることを明確な目的にしています。
また、論理的な根拠もないので批判とも全く違うのです。
誹謗中傷という言葉を使うときは、根拠があるのか、相手の名誉を傷つける目的があるのかで区別しましょう。
まとめ
今回はよく混同されて使われることが多い3つの言葉を説明しました。
それぞれ全く違う意味を持つ言葉だと言うことがおわかりいただけたと思います。
今後は悪口を言う言葉ですべてを表現せずに、意味の違いによって区別して使ってみましょう。
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