自分が言った悪口と同じことを他の人が言った場合、その人に仲間意識を感じる場合と「おまえが言うな!」と怒る場合があります。
これはどちらも経験したことがある人は多いのではないでしょうか。
同じ人の悪口を言うと仲間意識が生まれることは、心理学では普通のことのようですが、反対に怒り出してしまうのはどんな心理なのでしょうか。
今回は同じ悪口を他人が言うと腹が立つ理由について考えてみます。
なぜ同じ悪口を他人が言うと腹が立つときがあるのか
同じ悪口を言われると怒ってしまうケースにはどうのようなものがあるでしょうか。
自分と違うグループに所属している場合
自分と違うグループに所属しているケースというのは、職場や友人のグループの場合もありますが、もっと広い意味でのグループになります。
例えば、同じ野球ファン同士でも巨人ファンと阪神ファンがいます。
巨人ファンがある選手のエラーで負けたときに、その選手の悪口を言ったとしても、同じ巨人ファン同士であれば怒り出すことはほとんどありません。
しかし、同じ悪口を阪神ファンが言ったらどうでしょうか。
ほぼ確実に巨人ファンは怒り出すのは間違いありません。
また、もっと身近の例では、自分の家族の悪口を自分が言うことには問題ありませんが、他人が自分の家族の悪口を言えば誰でも怒り出します。
なぜこんな心理になるのかというと、自分や自分の所属しているグループ、家族の悪口を自分が言ったとしても、それでも良いところがある、それでも好きだからです。
自分の子供にはこんな悪い点があるという悪口を言っても、憎しみを伴った悪口ではないのです。
しかし、他人や違うグループに所属している人から言われる悪口には悪意を感じてしまうので怒ることになります。
特に日本人は謙譲を美徳とする文化があるので、よりその傾向が強いのではないでしょうか。
他人に親の悪口をいわれると腹が立つのと同時にすごく悲しくなります。
自分が親に対して言うのにはなんとも思わないのに、他人に言われるとムカついてしまいます。
集団を自分と同一化する
自分が謙遜して自分の悪いところ言っているのに、他人が同じ悪口を言うと怒るのは心理的にはよく理解できます。
しかし、同じ心理が自分以外の場合でも働きます。
例えば、血液型占いにハマっているグループがいたとします。
血液型がA型同士の人が性格について悪いところを言ったとしても腹は立ちませんが、O型の人がA型の人に対して同じ悪口を言うと腹が立ちます。
まず確実にO型の性格の悪い点を指摘して言い返すでしょう。
血液型が同じというのは血縁関係の家族に比べれば、関係などはあってないようなものですが、それでも同じ仲間意識を持ちます。
これは悪口だけでなくほめられた場合にもあてはまります。
家族がほめられたり、好きな球団の選手がほめられたりして自分のことのように喜んでしまうと言う経験は誰にでもあるでしょう。
これは家族や自分が所属している集団を自分と同化しているために起こる心理だと言えます。
特に日本人はこうした集団意識が強いところがあります。
そのため、誰かの悪口を言う場合は、悪口を聞かせる相手が悪口の対象者と同じ集団ではないかという点に気を付ける必要があります。
日本人は自分のことを謙遜して「自分なんかたいしたことはない」と言うことがありますが、これに対して「本当にそうですよね」とまともに肯定したら、ほとんどの人は怒り出します。
少なくても相当に気分を害することは間違いありません。
これと同じ心理が家族や自分が所属する集団の他の人にも適用されると考えるといいでしょう。
家族であれば明らかですが、見た目だけでは分からないことも多いので十分な注意が必要ですね。
親だけに限らず家族や親しい友人も同じで自分で悪口を言う分にはいいのですが、他人が悪口を言うと怒ってしまいます。これは自分の同族と考えている人に対しては、悪口を言われると自分に言われたと同じように考えてしまうからです。
これは親族・友人に限ったことではありません。たとえば会社内での同じ派閥、同じ野球チームを好きな人にも適用されます。
他人から悪口を聞かされた場合、同調することで結束力が強くなります。しかし、悪口に同調すると、相手が怒り出すケースがあります。
例えば「私の親は本当にバカなんだよね」と聞かされたことに対して「本当にあなたの親はバカだね」と言うと相手は怒り出すことは間違いないでしょう。
(続く)
— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) September 28, 2021
(続き)
それではなぜ相手が言った悪口を言うと怒り出すのでしょうか?
ヤフー知恵袋に良い回答があったので引用します。
>親への悪口は親に対する感情のごく一部分。その一部分だけ聞いて軽々しく親のことを評価されると反発心が出る。
>「親には感謝しなきゃ」とたしなめてほしい心理もある。
— ムソムソ心理学【人間関係の悩み】やっかいな人はこれで解決! (@yakkainahito) September 28, 2021
まとめ
同じ悪口でも自分が言うのはいいけれど、第三者が同調すると怒ってしまうという心理はおわかりいただけたでしょうか。
この心理が海外でも共通なのかは分かりませんが、少なくても日本ではより強いのではないかと思います。
悪気のない悪口が聞いている人には特に関係がないと思っていても、思わぬ関係があるかもしれません。
悪口はなるべく避けた方がいいのは、こうした予期しないトラブルが起きる可能性があるからです。
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