悪口は直接本人には言いにくいという特徴があります。
いつも悪口ばかりを言う人でも、直接本人に悪口を言うことはほとんどありません。
むしろ悪口が好きな人ほど陰口をたたく傾向があります。
今回は人が直接悪口を言いづらい理由について考えてみましょう。
直接本人に悪口を言えない理由は人間関係があるから
悪口を直接本人に言えない理由を一言でいえば、人間関係が続くからです。
もう二度と会わないと分かっている人であれば、直接悪口を言いやすくなることは理解できると思います。
それではどのような人間関係が悪口を直接言いづらくしているのでしょうか?
人は簡単に屈服しない
人間関係を考える前に人の性質、質(たち)について考えてみましょう。
人が悪口を言いたくなるのは、相手から叱責されるなどで強い不満を感じたり、憤りを感じたりしたときに、その場で反論などができないときです。
本来であれば、その場で反論して相手を屈服させたり、謝罪させたりできればこうした不満はなくなるので悪口を言うこともありません。
その場で反論しない理由はいろいろあるでしょう。
相手が上司だったり、年上だったりというケースもありますが、それでも相手が悪いことを認めされることができれば、立場に関係なくそうするはずです。
しかし、ほとんどの人がそうせずに後で悪口を言う方法を取るのは、相手を完全に屈服させることは不可能だと考えているからです。
ドラマでは上司に土下座させることはできても、現実的にはできないことは誰でも知っています。
それは自分が上司の立場で部下に反論されたら、素直に認めることはないことが分かっているからです。
ですから、ドラマで相手を屈服させるシーンを見るとカタルシス(浄化作用)を感じてしまうのです。
「現実ではなかなかお目にかかれない」と思われてるからこそ、ドラマとして人気が出たのでは…
リアルなだけだったら架空作品見る必要ないですし。
職場では反論は命取り
いくら上司が理不尽な理由で叱責しても普通は反論することはありません。
もしそれをやってしまうと職場での立場が悪くなるからです。
その代わり飲みに行ったときに愚痴や悪口という形で吐き出します。
そもそもその場で反論しても上司は認めないことが分かっているので、反論しないのです。
会社員として人間関係を維持することと上司に対する不満を比較して、人間関係を維持することを選んでしまう人が多いのです。
相手がどんなに無能な上司であっても、直属の上司であれば自分を評価するのはその上司です。
協調性がないという評価をされてしまうと、会社内では致命的となってしまうでしょう。
こうした考えで直接悪口を言わないのは、特に日本の社会では普通にあることですね。
日本の会社ではこれがストレスをため込む大きな原因となっているので、会社の飲み会では悪口大会になることが多いわけです。
陰口を言う人がなぜ直接本人に悪口をいわないのかというと、反論されたり、ケンカになったりするのが怖いからです。
自分は安全な場所で相手だけを狙い撃つスナイパーみたいな感じでしょうか。
たとえが少しかっこよすぎですが、スナイパーも実は臆病です。— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) March 23, 2021
狙撃に集中していたら、背後は無防備になるので、絶対に見つからないようにしています。
しかし悪口の場合は、出所がわかるケースがほとんどです。
狙撃と違って悪口をいう相手が本人ではなく、複数の同僚や友人だからです。
必ず告げ口をする人がいます。— ムソムソ心理学@悪口は災いの元 (@yougaku80) March 23, 2021
悪口以外の手段もある
職場に関していえば、以前ほど上司の言うことは絶対で口答えしてはいけないという風潮はなくなってきています。
これは年功序列制度を撤廃した企業ほど顕著になっていることでしょう。
実力主義の会社であれば、上司の間違いを正すことはむしろ自分の評価を上げるチャンスになります。
ただし、この場合でも直接反論したり、説き伏せようとしたりするのはおすすめできません。
自分の考えが社内で評価されるかどうかは未知数だからです。
そのため上司の意見を覆したいと思っても、事前準備として周囲に根回しをして味方を多く作っておく必要があります。
そうして自分の意見が支持されるという自信を得てから行動すれば、上司の意見を覆すことも可能になるでしょう。
こうしたことができるのであれば、飲み会で悪口を言って憂さを晴らす必要がなくなります。
まとめ
人が悪口を直接言えないのは人間関係を重視していることが理由として大きいことが分かります。
特に日本ではこうした傾向が強いですね。
個人主義の欧米では転職率が高いのもこうした人間関係よりも、個人の考えや感情を優先しているからかもしれません。
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